2005 Fiscal Year Annual Research Report
咬合咀嚼刺激による高齢者痴呆予防の神経科学的解明-fMRI法による研究-
Project/Area Number |
16390568
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貞雄 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00084799)
植松 宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80100957)
加藤 則廣 岐阜大学, 医学部付属病院, 助教授 (40224521)
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部付属病院, 助教授 (40252134)
渡邊 和子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40158621)
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Keywords | 認知症 / 咬合 / 咀嚼 / 磁気共鳴機能画像 / 海馬 / 前頭前野 / 記憶 / 義歯 |
Research Abstract |
本研究では、fMRI法を駆使し、高齢者ボランティアの空間認知記憶とその機能を担う海馬の活動レベルをシステム的にとらえた画像タスクを作成し、咬合咀嚼刺激により海馬機能を上昇させることを機能イメージング法と行動科学手法により解明することを目的とした。そして、咬合咀嚼刺激が高齢者の知的機能維持と回復に重要であることを推進し、高齢社会における健康寿命の延長、ひいては認知症予防に貢献することを最終目標に研究を遂行してきた。 今年度は記憶タスクデザインを改良し、fMRI法による海馬の機能的マッピングとその定量分析を試みた。その結果、以下の成績を得た。 1.タスクデザインを抜本的に改良することで、より一層の再現性の高い海馬賦活の変化を捉えることができた。義歯装着と食事マナーの改善(コミュニケーションを強化)により記憶課題で増強する海馬のBOLDシグナルが増強した。 2.fMRI実験30分後、記憶タスクに用いた画像の半数を新規な画像に差し替え、これをアトランダムに提示し、ボランティアには「すでに見た」「見てない」の回答を求めるという方法、すなわち"記憶確認(想起)テスト"を実施し、正答率スコアを作成したところ、義歯装着と食事マナーの改善によりスコアが向上することがわかった。 以上のことから、本研究において咀嚼器官と海馬はクロストークすることが解明された。高齢社会での認知症の先送りあるいは軽減のための予防医学的アプローチに、誰もがどこでもできる日常行為であるチューイングを積極的に推進する必要があることが示唆される。したがって今年度の目標をほぼ達成できた。
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Research Products
(6 results)