2004 Fiscal Year Annual Research Report
習慣性かみしめの病態生理の解明と臨床的評価法の開発
Project/Area Number |
16390569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
加藤 隆史 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (50367520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 俊文 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (20028731)
山下 秀一郎 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80242212)
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Keywords | 習慣性かみしめ / 嚥下 / 咀嚼筋活動 / ブラキシズム |
Research Abstract |
平成16年度の計画通り、習慣性かみしめといえる非機能的な咀嚼筋活動の同定方法を確立した。歯科医学的・医学的疾患の既往や現病歴のない健康成人16名(平均年齢26.3歳)を被験者として実験を行なった。実験では筋電図(咬筋、舌骨上筋、前脛骨筋)、喉頭運動、胸郭呼吸運動、嚥下音の記録とビデオ撮影を黙読下で行った。データは後日解析し、生体信号記録とビデオ記録を併用して、顎口腔領域に生じた運動や行動を次のように同定した。嚥下は、喉頭運動に伴う嚥下音の発生と呼吸の一時停止(嚥下性無呼吸)から判定し、その他に、口唇運動、舌打ち、微笑、顔しかめ、あくび、ため息、深呼吸、咳、独り言などの口腔運動を同定した。姿勢変化や手足の動きもビデオと前脛骨筋筋電図活動を用いて判定した。さらに、上記の口腔運動と関連がなく、最大かみしめの10%を超える咬筋活動が観察されたため、これを非機能的咬筋活動とした。これらの口腔運動および行動判定結果を異なる判定者間で比較すると一致率は97%であった。嚥下は口腔運動の中で最も頻繁に出現し(平均42.8回/h)、次に非機能的咬筋活動はついで多かった(平均30.6回/h)。その他の口腔運動は極めて少なかった。一方、体動は平均89.8回/h発生した。さらに、非機能的咬筋活動の約70%が体動中および体動前後10秒以内に発生したが、非機能的咬筋活動と体動の発生数に相関はなかった。また作成した定量解析プログラムを用い、嚥下に伴う咬筋活動を4名の被験者で分析したところ、65%の嚥下の咬筋活動量は最大かみしめの30%以下であった。以上、平成16年度の研究から、1)判定者間の一致率が高い口腔運動の同定法を確立したこと、2)それによって非機能的な咀嚼筋活動が同定できた。従って、平成17年度では、この方法を用いて口腔運動と生理的現象や臨床的徴候との関連を検討することが可能となった。
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Research Products
(3 results)