2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚培養細胞による歯の再生とその再生メカニズムの解明
Project/Area Number |
16390578
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 雅規 東京大学, 医科学研究所, 寄付部門教員 (70361623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 泉 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (30221039)
相良 洋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50145041)
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Keywords | 歯胚 / 歯胚上皮細胞 / 歯乳頭細胞 / 歯髄細胞 / 歯嚢細胞 / 培養 / 幹細胞 |
Research Abstract |
本年度は歯胚中に存在する3種類の細胞、いわゆる歯胚上皮細胞、歯乳頭(歯髄細胞)および歯嚢細胞のすべての細胞の培養条件を確立した。はじめに、歯胚上皮系細胞について報告する。鐘状期歯胚から無血清培地を用いることで上皮細胞のみを培養することは可能であるが、この無血清培地による細胞の増殖は不可能である。この単離された上皮細胞のmRNAを採取し、RT-PCRによってその特性を解析すると、前エナメル芽細胞の性質を示した。さらに、この細胞を口腔粘膜の細胞で有用とされている3T3細胞をフィーダーレイヤーとして混合培養することで、長期培養に成功した。10継代した培養細胞から、mRNAを採取し歯胚上皮系細胞特異的な遺伝子であるアメロジェニン、アメロブラスチン、エナメライシンの発現を確認し、前エナメル芽細胞の形質を維持しながら培養可能であることを発見した。 次に、歯乳頭(歯髄)組織中から幹細胞の特性を持つ細胞をFACSによって分離することに成功した。この細胞は従来、他の組織の幹細胞のマーカーとして報告されている遺伝子群を発現することを確認した。現在、この細胞の性質について詳細に検討するとともに、硬組織形成能についてin vivoによる移植実験を開始した。 最後に、歯嚢組織から単細胞クローンの採取に成功し、その細胞を長期培養できる条件を見出した。また、その単細胞クローンは歯根膜の前駆細胞の特性を示すことがmRNAによるRT-PCRの解析から確認した。さらに、この単細胞クローンを歯根膜細胞に有利に分化する培養条件を見出した。現在、この単細胞クローンの歯周組織形成能の評価をin vivoの移植実験にて行っている。 本年度の結果から、この2年間において実験は計画通りに進んできた。来年度は最終年度であり、今までに確立した培養方法による培養細胞を担体中にて組み合わせることで最終目標である歯の再生の可能性について検討する。
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Research Products
(6 results)