2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390581
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60303137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 由起子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (80345511)
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (80217421)
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Keywords | 再生医療 / 口腔粘膜 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
[目的]われわれは1999年にティッシュエンジニアリングの手法を用いてヒト培養複合口腔粘膜(培養粘膜)の開発に成功し、2000年5月より口腔粘膜欠損部へ臨床応用しているが、口腔の部位によって治癒の早さや瘢痕形成の程度に差がある傾向にある。培養粘膜移植による口腔粘膜再生のメカニズムを解明するために、マウスの培養粘膜背部移植モデルにて培養粘膜移植後の治癒過程を形態学的に観察するとともに、臨床に近似した治癒過程を観察するためラット口腔内移植モデルの開発を試みた。【方法]BALB/c(-)ヌードマウスの背部皮膚に2箇所、直径10mmの皮膚欠損創を作製し、一方にはヒト口腔粘膜上皮細胞を用いた培養粘膜を、もう一方にはコントロールとして培養粘膜の一部分であるヒト他家新鮮屍体真皮(AlloDerm【○!R】)を移植した(Group 1)。ヌードマウスの背部皮膚に長さ5mmの切開を加えて皮膚を袋状に剥離してその皮下に、一方には培養粘膜、もう一方にはAlloDerm【○!R】を移植した(Group 2)。経時的に移植部を形態学的に観察した。またウィスター系ラットの頬粘膜と口蓋粘膜の上皮細胞を培養し培養粘膜作製を試みた。[結果]マウス背部移植モデルのGroup 1では、術後固定用ガーゼを除去した時期では培養粘膜の上皮細胞は認められ、その数日後には重層上皮の大部分が脱落していたが著しい癒痕形成はなく治癒した。Group 2では、皮下に移植した培養粘膜の上皮はさらに重層化し、培養粘膜内の血管は多い傾向にあった。ラットの頬粘膜、口蓋粘膜の上皮細胞では、口蓋粘膜の方が採取できる細胞数が多く、培養粘膜作製に適していると考えられた。[考察]マウスモデルGroup 1とGroup 2の結果より上皮層の状態によって血管新生の程度が異なることが示唆されたが、今後はラット口腔内移植モデルの開発を進めその治癒過程を検索する必要があると思われた。
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Research Products
(1 results)