2006 Fiscal Year Annual Research Report
PDE関連シグナル・遺伝子療法-Melanomaを中心に-
Project/Area Number |
16390585
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田川 俊郎 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30046346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 真登可 三重大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70159961)
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (80242965)
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Keywords | phosphodiesterase / melanoma / シグナル遺伝子療法 |
Research Abstract |
ホルモンが細胞膜受容体に結合すると細胞内のcAMPとcGMPレベルが上昇し,この作用で遺伝子の発現などが起こり,ホルモンの作用が発揮される.しかし,細胞内のcAMP等のレベルの上昇がいつまでも続き,シグナルを伝達することは不都合で,そのレベルを下げることが必要である.PDEは11種類(PDE1からPDE11)に分類されており,cAMP等を分解しその濃度を調節している.したがって,cAMPやcGMPによる細胞内シグナル伝達系が存在すれば必ずPDEが存在し,そのシグナルに対して重要な役割を担っている.以上より,悪性腫瘍細胞でPDE関連シグナルが解明できれば新しい治療法(シグナル・遺伝子治療等)の開発に貢献できると考えられ,悪性黒色腫細胞を中心に悪性腫瘍由来細胞で検討した. 悪性黒色腫細胞を中心にそれぞれの悪性腫瘍細胞で発現しているPDE特異的阻害剤を作用させたところ,PDE2では細胞増殖が抑制されたが,PDE4では促進された.しかし,PDE3とPDE7では変化は認めなかった.また,matrigelを使用して浸潤を検討したところPDE2では浸潤が抑制されたが,PDE3,PDE4とPDE7では変化しなかった.次に,PDE特異的阻害剤で効果の認められたPDEに対してsiRNAを作成し導入しそれぞれの細胞に導入した.そこでPDE2とPDE4の遺伝子異常を検討したが,特に異常は認めなかった.また,PDE2とPDE4の発現ベクターを作成し,Sf9細胞にbaculovirusを使用して導入し,リコンビナントPDEを発現させW.B.でサイズ等を確認したが変化は認めなかった.以上より,PDEシグナルが悪性黒色腫では重要でありPDE関連シグナルに対する遺伝子療法が有効である可能性が示唆された.
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