2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390587
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大倉 正也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10281130)
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Keywords | 唾液腺 / 唾液腺腫瘍 / 分化誘導 / がん治療 / apoptosis |
Research Abstract |
1)HSG細胞の腺房細胞分化に関わるシグナル伝達の解析 ラミニン1ゲル上でHSG細胞の腺房細胞分化は、α3、α6、β1抗体で分化が抑制され、α1、α2、β4では抑制されなかった。FAKの関わりについてGFP-Fat遺伝子を挿入したところ、腺房細胞分化を抑制した。Focal adhesion targeting-Cskを発現させても、分化は抑制された。dominant negative c-Srcを発現させたHSG細胞はコロニーを形成するものの、不定形で細胞間接着がルーズで核の偏心も認めず、腺房細胞の蛋白の発現もしなかった。3D環境だけが分化を誘導するかを検討するためにアルジネートビーズで培養したがHSG細胞は腺房細胞分化をしなかった。分化の発現としてamylase, cystatinSA, MUC7を調べたが、どれもmRNAの増強が認められなかった。 2)インテグリンと協調する他のシグナルの解析 CEACAM1-4Lと4Sの発現は、ほぼ1:1であった。C末のtyrosineを置換することを3種のprimerを使って行ったがうまくいかないので、site-direct mutagenesisを行う。 3)粘表皮癌細胞株(MEC細胞)のcharacterizationとTAK, ACC細胞のラミニン1ゲル上培養の影響 下顎顎骨内粘表皮癌から細胞を樹立し、MEC細胞と名づけた。HSG細胞と異なり、MECやACC細胞はマトリゲル上やラミニン1ゲル上で培養しても、腺房細胞分化は起こらなかったが、増殖しなかった。ACC細胞ではDAPIでアポトーシスを認めた。TAK細胞はα-SMA、vimentinを発現し、cytokeratinの発現は有さないが、PAS陽性である。ラミニン1ゲル上培養細胞は変則なコロニーを形成し、PAS強陽性でCK19,CK13・16、EMAの発現を示し、導管管腔側への分化が見られた。 4)扁平上皮癌(SCC)の分化・アポトーシス 通常よりラミニン1の濃度を上昇させるとゲル上で培養したSCC細胞もアポトーシスを引き起こした。PPAR-γのアンタゴニストを添加するとインテグリンα5の発現を抑制し、FAKのリン酸化を抑制し、細胞接着を抑制し細胞にanoikisを誘導した。
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Research Products
(1 results)