2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質・末梢血由来体性幹細胞の多分化能維持機構の解明とその再生医療への応用
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16390591
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長山 勝 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30022867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里村 一人 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (80243715)
藤澤 健司 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40228979)
中西 宏彰 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00243717)
武知 正晃 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00304535)
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Keywords | 再生医療 / 組織再生 / 幹細胞 / 骨髄間質細胞 / 分化誘導 |
Research Abstract |
理想的な再生医療実現のためには、安定した幹細胞の供給源を確保することはきわめて重要であり、患者個人の体細胞を用いて臓器や組織の再生が行えれば、ES細胞を用いる場合に伴う種々の制約のない理想的な治療法となることが予想される。このような観点から、本研究は骨髄間質細胞のもつ多分化能性に注目し、その再生医療への応用の可能性につき検討した。 まず、マウス骨髄より複数の骨髄間質細胞株を新たに樹立した。これらの細胞株を種々の細胞増殖因子、ビタミンおよび細胞外基質を利用して培養することにより、骨芽細胞、軟骨細胞、筋細胞、脂肪細胞(以上中胚葉系機能細胞)、神経細胞(外胚葉系機能細胞)および肝細胞(内胚葉系機能細胞)に分化誘導する方法の確立に成功した。興味深いことに、本誘導条件下においてはほぼ100%の細胞を神経細胞および肝細胞に誘導できることが確かめられた。さらにこれら、in vitroにおいて多分化能を示す複数の骨髄間質細胞株にgreen fluorescent protein(GFP)の遺伝子を導入し、GFPの安定発現株を樹立した。その際一部GFP遺伝子の導入により分化能に変化が見られる細胞株が存在したため、再度in vitroにおける検討を加えた後、多分化能を有する細胞株を免疫不全マウスの皮下、筋肉内、脳内、肝臓内および人工的に作製した骨、軟骨欠損部や脊髄損傷部に移植した。今後、経時的に移植した部位の組織、臓器を回収し、移植した細胞の局在、分布につき組織学的検討を行う予定である。
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