2004 Fiscal Year Annual Research Report
有糸分裂チェックポイント遺伝子CHFRの口腔癌診断・治療への応用
Project/Area Number |
16390597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
時野 隆至 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50165180)
田中 信幸 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50163548)
木戸 幸恵 札幌医科大学, 医学部, 助手 (20363690)
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Keywords | 細胞周期 / 有糸分裂 / チェックポイント / 微小管脱重合阻害剤 / 口腔癌 / 感受性診断 |
Research Abstract |
これまで口腔癌細胞における異常メチル化によるCHFR発現の消失と微小管阻害剤感受性増強の関係を指摘してきた。本研究ではCHFRの発現低下が微小管阻害剤感受性の増強に寄与するか否かを、RNAiノックダウン実験にて解析した。CHFRのコーディング領域の2箇所をそれぞれ標的とするRNAiベクターを構築し、CHFR発現陽性の口腔癌細胞株に導入した。その結果CHFRRNAiを導入するとドセタキセル処理後mitotic indexが約60%まで上昇した。これらの細胞のアポトーシスはmock-RNAiでは15%未満であったのに対し、CHFR-RNAi導入細胞では35%を示した。同様の現象が微小管阻害剤パクリタクセルでも観察された。対照的に他の抗癌剤(CDDPやVP16)ではCHFRの発現量とは無関係に一定の細胞死が観察された。以上の結果からCHFRの発現は微小管阻害剤による分裂期チェックポイントに必須であり、CHFRの発現抑制が微小管阻害剤に対する癌細胞の感受性を特異的に高めると考えられた。一方、癌細胞の微小管阻害剤感受性に対するCHFR結合タンパクCBP319の影響を解析するため、CHFRのメチル化ステータスの異なる癌細胞(MKN45,SNU1,HSC3,Saos2,SW480)を用いてCBP319のmRNA発現をreal time PCRで解析した。処理後24時間まで経時的にmRNA発現定量を行ったがCBP319の発現誘導は認められなかった。これは微小管ストレス下ではmRNAレベルの制御ではなく、CHFRやCBP139が翻訳後レベルでの修飾や相互作用をうけて分裂期チェックポイントに寄与すること示唆する。 また、蛍光プライマーによるリアルタイムPCRを利用したメチル化検出法の最適条件を検討し、簡便な定量的CHFR遺伝子メチル化DNA分析法を確立できた。今後、化学療法における適応決定に関する診断指標への応用をめざす。
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Research Products
(12 results)