2004 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部悪性腫瘍の増殖・浸潤抑制による効果的治療法の開発
Project/Area Number |
16390598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
福田 正勝 明海大学, 歯学部, 講師 (10311614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草間 薫 明海大学, 歯学部, 教授 (20130479)
坂下 英明 明海大学, 歯学部, 教授 (10178551)
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Keywords | 頭頸部悪性腫瘍 / CYLD / NF-kB / 遺伝子変異 / NCAM / アポトーシス / 神経周囲性浸潤 / 腺様嚢胞癌 |
Research Abstract |
(1)頭頸部領域に発生した13例の腺様嚢胞癌患者の生検材料においてNCAMの発現を免疫組織化学的に検索したところ,9例(692%)の癌細胞にNCAMに対する陽性所見を認めた.NCAMは腫瘍細胞の細胞膜に陽性反応を示し,腺様嚢胞癌組織中の篩状構造および管腔様構造において散在性,あるいは集簇性に陽性細胞が認められ,特に神経周囲性浸潤した腫瘍細胞に陽性所見を認めた.その発現頻度と臨床病理学的因子との相関関係は特に認められなかったが,腺様嚢胞癌におけるNCAMの発現は高頻度であり,腫瘍の進展に大きく関与していることが示唆された. (2)HSG細胞から自発的なNCAM遺伝子および蛋白発現を認めた.HSG細胞に抗NCAM抗体あるいはrhNCAMを作用させた際,抗体やrhNCAMの濃度増加に伴い遺伝子および蛋白レベルでNCAM発現の減少を認めた.またヒト頭頸部扁平上皮癌由来株化細胞HSC-2,-3およびCa9-22からのNCAM発現は検出されなかった.さらにMTT解析において,抗NCAM抗体やrhNCAMの濃度増加に伴いHSG生細胞数の減少を認めた.ところがヒト頭頸部扁平上皮癌由来株化細胞の生細胞数減少は認められなかった. (3)ヒト正常神経細胞とHSG細胞を共培養したところ,共焦点レーザー顕微鏡にて高率に接着していることが確認できた.さらにHSG細胞に抗NCAM抗体あるいはrhNCAMを直接作用させた上でヒト正常神経細胞と共培養したところ,HSG細胞がアポトーシスに陥ってしまった. (4)ヌードマウスにHSG細胞を播種・腫瘍形成した後,抗NCAM抗体を作用させたところ,腫瘍組織の縮小を認めた. (5)13例の腺様嚢胞癌患者の生検材料においてCYLDおよびNF-kBの発現を免疫組織化学的に検索したところ,9例(69.2%)においてNF-kBの過剰発現を認めた.しかしCYLDの発現は,腫瘍組織中にほとんど検出されなかった.このことはCYLD遺伝子に何らかの変異が起こった結果を示唆している.今後CYLD遺伝子変異の検索を中心に行っていく予定である.またTNF-a刺激したHSY細胞においてCYLD蛋白の発現をWestern blot法にて確認した.この細胞を用いて今後,NF-kBの発現動態を検索する.
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Research Products
(5 results)