2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病が及ぼすsystemic effectsの分子生物学的作用機構の解析
Project/Area Number |
16390611
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 聡介 東北大学, 大学病院, 医員 (80375097)
板垣 由美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10223067)
菅原 俊二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10241639)
高橋 信博 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60183852)
荘司 佳奈子 東北大学, 大学病院, 助手 (90302158)
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Keywords | 歯周炎 / 全身疾患 / Porphyromonas gingivalis / アディポネクチン / 血糖値 / TNF-α / TLR2 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的は、未だ明らかではない歯周病→全身疾患の関係における"missing link"を分子生物学的に詳細に解析しようとするものである。そのため歯周病原菌の生体内侵入の可能性、歯周病原菌感染に伴う様々な臓器の細胞内情報伝達系に関わるタンパク質発現の動態を網羅的に解析し、全身に作用を及ぼす特徴的な因子を発見することを目指す。前年度に歯周病原菌Porphyromonas gingivalis(Pg)感染により血糖値が特異的に上昇し、それが炎症性サイトカイン非依存性であることを明らかにしたが、この現象には同菌の生体内侵入と病原物質の特徴的作用が関わるものと推測された。本年度はこの特異的作用機構解明のため、(1)Pg菌由来リポ多糖(LPS)が全身に及ぼす作用、さらに同菌に対する免疫応答開始機構について各々in vivo, in vitroで検討を行った。まずin vivoにおいては、Pg菌由来LPSをラット腹腔内に投与すると、Escherichia coli(Ec)由来LPSとは異なり炎症性サイトカイン産生誘導が弱く、しかもメタボリックシンドローム関連物質であるアディポネクチン産生を早期に低下させることが明らかとなった。またLPS投与によるアディポネクチン産生低下は、これまでの報告と異なりTNF-α非依存性であることを示した。一方Ec LPS投与による血糖値上昇はTNF-α依存性であることから、Pg菌体物質侵入による全身への影響は炎症性サイトカインにあまり依存しない経路で生じることが強く推測された(菊池由佳、投稿準備中)またPg菌由来病原物質(LPS及び線毛)はEc LPSと異なり、CD14+CD16+の特徴的な樹状細胞サブセットを誘導するが、これが同細胞表面のTLR2分子を介した認識によるものであることを初めて明らかにした(Kanaya S et al.)。またPg菌による樹状細胞活性化が弱いという現象は同菌が免疫系をエスケープしやすい可能性を示唆するものと考えている。
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Research Products
(1 results)