2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎浸潤T細胞の網羅的解析による結合組織・骨組織破壊機構の解明
Project/Area Number |
16390613
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 和久 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網塚 憲生 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (30242431)
中島 貴子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
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Keywords | 制御性T細胞 / FOXP3 / T細胞クローン / 歯周炎 |
Research Abstract |
昨年度に確立した方法に準じて歯肉組織由来CD4^+T細胞クローンを樹立し、FOXP3およびCD25の遺伝子発現が陽性であるものを選択して実験に供した。また、末梢血から比重遠心法と磁気細胞分離システムを用いてCD4^+CD25^+T細胞とCD4^+CD25^-T細胞を分離し、以下の実験を行った。 機能的解析としては、抗原提示細胞存在下で、CD4^+CD25^-T細胞とCD4^+CD25^+T細胞またはFOXP3陽性T細胞クローンと共培養し、P.gingivalis外膜蛋白または抗CD3抗体、抗CD28抗体を抗原として刺激した。CD4^+CD25^-T細胞の増殖活性をトリチウム-チミジン法にて測定した。同時に培養上清中のIL-2,IL-10,TGF-βの産生量をELISA法で測定した。その結果、FOXP3陽性T細胞クローンのフローサイトメトリーによる解析では、CD25の発現は陽性、CTLA-4、GITR、CD103の発現は陰性であった。CD4^+CD25^+T細胞とCD4^+CD25^-T細胞の集団のFOXP3遺伝子発現の定量解析では、CD4^+CD25^+T細胞で有意にFOXP3遺伝子発現量が高かった。末梢血由来CD4^+CD25^+T細胞はCD4^+CD25^-T細胞の増殖活性を有意に減少させた。対照的に、歯周炎組織由来FOXP3陽性T細胞クローンはCD4^+CD25^-T細胞の増殖活性を有意に増加させた。サイトカイン産生量については歯肉T細胞クローンにおいてIL-2の産生がCD4^+CD25^+T細胞と比較して有意に高かったが、IL-10,TGF-βについて差は見られなかった。歯周炎組織から分離したFOXP3陽性T細胞クローンは制御性の性質を示さず、ヒトにおいてはFOXP3が必ずしもCD4^+CD25^+制御性T細胞のマスター遺伝子にはなり得ない可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)