2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎浸潤T細胞の網羅的解析による結合組織・骨組織破壊機構の解明
Project/Area Number |
16390613
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 和久 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網塚 憲生 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (30242431)
中島 貴子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40303143)
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Keywords | 制御性T細胞 / FOXP3 / T細胞クローン / 歯周炎 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、歯周炎患者の歯肉組織より樹立したCD4^+T細胞クローンのさらなる解析を行った。今回、FOXP3の遺伝子発現が認められた7つのCD4^+FOXP3^+T細胞クローンの性状を、末梢血由来CD4^+CD25^+T細胞およびCD4^+CD25-T細胞をコントロールとして比較検討を行った。RT-PCR法およびフローサイトメトリー法にて、CD4^+CD25^+T細胞にはCD4^+FOXP3^+T細胞クローンと同様にCD25とFOXP3の発現が認められたが、CD4^+CD25^+T細胞にはどちらも認められなかった。そこで、CD4^+CD25^+T細胞とCD4^+FOXP3^+T細胞クローンの機能を比較するために、抗原提示細胞存在下でCD4^+CD25-T細胞をCD4^+CD25^+T細胞またはCD4^+FOXP3^+T細胞クローンと共培養し、抗体刺激下でのCD4^+CD25-T細胞の増殖活性をトリチウムーチミジン法にて測定した。この結果、CD4^+CD25^+T細胞はCD4^+CD25-T細胞の増殖活性を減少させたのに対し、CD4^+FOXP3^+T細胞クローンはCD4^+CD25-T細胞の増殖活性を大きく増加させた。すなわち、歯周炎組織由来CD4^+FOXP3^+T細胞クローンはCD4^+CD25^+制御性T細胞様のフェノタイプを示すにも関わらずエフェクターT細胞様に機能した。さらにFOXP3^+細胞の歯周炎罹患歯肉組織における局在を免疫組織化学染色にて調べたところ、FOXP3^+細胞が炎症部位に多数認められた。またFOXP3の発現はCD4^+CD25^+T細胞に限局し、CD8^+T細胞には認められなかった。これらの結果より、ヒトにおいてはFOXP3が必ずしもCD4^+CD25^+制御性T細胞のマスター遺伝子にはならず、歯周炎組織中には制御性に機能しないCD4^+CD25^+FOXP3^+T細胞が浸潤している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)