2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい再石灰化促進機能素材「リン酸化オリゴ糖カルシウム」の歯科臨床応用
Project/Area Number |
16390619
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
稲葉 大輔 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (90146085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 健太郎 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10364374)
米満 正美 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (80092451)
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Keywords | 再石灰化 / リン酸化オリゴ糖カルシウム / 予防製剤 / 定量的可視光励起蛍光法 / ヒト唾液浸漬法 / 生体外試験法 |
Research Abstract |
本研究の課題である再石灰化は唾液の作用であることから、食品成分の再石灰化促進効果は、唾液のそれと比較することが必須である。ゆえにヒト唾液を評価系に応用することが理想的となる。そこで、再石灰化促進物質の機能評価のための標準的な代替評価系(体外試験法)として、ヒト唾液浸漬試験(Human Saliva Immersion Test ; HSI試験)と定量的可視光励起蛍光法(QLF^<TM>法)を組み合わせたシステムの有用性を確認した。材料には牛エナメル質ブロックを用い、最初に0.1M乳酸溶液(pH4.5)により37℃で48時間脱灰して人工的に初期齲蝕病巣を形成した。この段階で、エナメル質表面の半側を透明なネイルバーニッシュで被覆しベースライン領域とした。この試料を、次のいずれかの唾液に37℃で24時間、浸漬し、HSI試験とした(n=6/群)。 A)健常成人6名から採取したパラフィン咀嚼刺激全唾液 B)高溶解性カルシウム食品素材(リン酸化オリゴ糖カルシウムPOs-Ca、江崎グリコ)配合ガム(ポスカム、江崎グリコ)咀嚼刺激全唾液 C)BにNaFを最終濃度1ppmFとなるよう添加した唾液 HSI試験終了後、試料のベースラインの脱灰部とHSI試験歯面の間の蛍光減少率ΔF(%)の差(ΔΔF、%)を計測した。その結果、ポスカム咀嚼唾液(B群)ならびに1ppmF添加ポスカム咀嚼唾液(C群)の試料はいずれも、唾液単独(A群)よりも有意に高いΔΔF値を示し、このことから、ポスカム咀嚼唾液は明らかにエナメル質の再石灰化を促進することが確認された。とくに、C群は唾液単独の約3倍のミネラル濃度回復(再石灰化)を示し、高溶解性カルシウム食材と低濃度フッ化物の組合せが、再石灰化に有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)