2004 Fiscal Year Annual Research Report
腰背部熱布温罨法の整腸作用による生活行動への効果と心地よさの提供
Project/Area Number |
16390631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
菱沼 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40103585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 好美 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (60384666)
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Keywords | 腰背部熱布罨法 / 便秘 / 下痢 / 体位 / 自律神経 / 事例研究 / 皮膚温 |
Research Abstract |
腰背部熱布罨法が整腸作用を持つ看護技術として成り立つかどうかを明らかにするために、本年度は研究A:仰臥位・左側臥位・腹臥位の自律神経活動の様相、研究B:排便・排ガスに困難または下痢のある患者に温罨法実施する事例研究、研究C:熱布罨法の方法に関する研究を開始した。 研究A:体位による自律神経活動については、研究協力を得られた健康な男性被験者で、仰臥位・左側臥位・腹臥位での自律神経活動と腸音、皮膚表面温のデータを収集中である。自律神経活動は心電図のR-R間隔からHRVで測定し、心音計で腸音を、皮膚表面の温度変化はサーモグラフによって測定している。現在のところ、体位によるデータの変動は個人差が大きく、一定の傾向を示すに至っていない。 研究B:便秘・ガスによる腹満または下痢の患者で、研究への参加を承諾した者を対象とし、熱布による腰背部温罨法を実施後その症状がどのように変化したかの事例集積を、協力施設2ヶ所で行っている。便秘スケールを用いた排便状況と、罨法実施前後の腸音の変化を指標とし、現在13例(透析患者5名、神経内科の患者8名)のデータ収集をほぼ終え、事例毎に分析中である。便秘例が多く、今後下痢の事例でのデータ収集が課題である。この研究の過程で、臨床現場では湿熱タオルでなく、タオルをビニール袋に入れて使用するという方法がとられ、罨法方法の検討の必要性が生じたため、次の研究を開始した。 研究C:臨床での方法で行った場合、皮膚温がどのような変化をしているかについて、罨法施行群11名、非罨法群8名(いずれも人工透析実施中の患者)の皮膚温のデータ収集を終了し、現在分析中である。また乾熱、湿熱の違いによる反応に関して研究を計画中である。 以上の研究は人を対象としているため、全て本学研究倫理審査委員会の承認を得て行っている。
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