2006 Fiscal Year Annual Research Report
腰背部熱布温罨法の整腸作用による生活行動への効果と心地よさの提供
Project/Area Number |
16390631
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Research Institution | St Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
菱沼 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40103585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 好美 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (60384666)
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Keywords | 温罨法 / 腰部 / 湿熱 / 便秘 / 健常女性 / 実験研究 |
Research Abstract |
本研究は、腰部温器法が自律神経刺激を介して腸の運動を整え、便秘・下痢または腹満等の解消に有効な看護技術であることの証明を目標としている。これまでの研究から、罨法は湿熱の方が乾熱より熱の伝導が広く深いこと、腹部への貼用でも効果があるが、腰部の方が胃腸の運動が促進されること、40℃の温熱刺激で交感神経活動が抑制され、副交感神経活動が促進されることがわかった。また入院患者での事例研究で約50%に有用な変化があることもわかってきた。 本年度は、腰部への器法の有効性、温度による差があるかどうかを明確にするため、便秘を自覚している女性健常者に、40℃を保つ湿熱を5時間貼用する場合と60℃の湿熱刺激を10分与える場合との比較実験を行った。コントロール4週間とその後40℃5時間貼用4週間(A群)と60℃10分貼用4週間(B群)の2群を設定した。被験者は各群18名で平均年齢はA群32.4歳、B群30.2歳、コントロール期間の便秘はA群3.44、B群2.78で、いずれも有意差はなかった。A群のコントロール期間と実験期間では、便秘が3.44から1.67に有意に減少し、排便のなかった日数が13.7日から10.7日に有意に減少し、排便回数は19.1回から24.3回に有意に増加した。B群では便秘が2.78から2.39、排便のなかった日数が13。9日から12.9日に減少したがいずれも有意差はなかった。排便回数は17.4回から20.6回に増加したが有意差はなかった。またA・B群間では、全ての値で有意差がなかった。A群のコントロールとB群の実験期間では、便秘の自覚症状については有意に低下していた。これの結果から、社会生活を送っている便秘の女性では、40℃5時間の蒸気温熱シートの腰部貼用は、便秘の改善に有効であり、高温短期間の刺激も、自覚症状の改善にはつながる可能性があることがわかった。
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