2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝問題に関わる自己決定能力を促進するための学習支援に関する研究
Project/Area Number |
16390633
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
溝口 満子 東海大学, 健康科学部, 教授 (00287103)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 教授 (50288065)
西村 ユミ 静岡県立大学, 看護学部, 助教授 (00257271)
前田 泰樹 総合教育センター, 講師 (00338740)
小笹 優美 東海大学, 健康科学部, 助手
|
Keywords | 学習支援 / 遺伝問題 / 成人一般 |
Research Abstract |
今年は初年度であり、大きく2つのことを実施した。 1.「遺伝問題についての認識のありかた」に焦点を当てた、一般成人を対象とするフォーカスグループインタビューの録音データを、トランスクリプト化して、分析を行った。その結果、一般の人々の「遺伝」に対するイメージは、必ずしも受けた教育によってではなく、むしろその人の体験から形成される、ということが明らかになった。その体験には、本人や家族などの病いの体験が含まれるが、それとともに、原爆体験との関連も示唆されており、後者は、日本における犠牲として理解できる。 また、グループインタビューは、参加者にとって、それ自体がグループメンバーや司会者のナビゲーションから知識を吸収し、思考するという学習の場になっており、もっと学習したいという欲求を引き出していた。さらに、興味深いことに、遺伝に関する知識や情報それだけでは、必ずしも遺伝学的検査への協力を判断する力にはならない、ということもわかった。この結果は、従来の知識伝達型の学習形態のあり方に疑問を投げかけるものであった。 これらの知見は次年度関連学会に公表する予定である。 2.遺伝医療が実際にどのように行われているのか、成人対象の学習の特性について文献、遺伝関連学会への参加、また専門家から直接情報提供を受けつつ、学習支援のあり方について検討を行った。上記1で得られた結果も踏まえ、次年度学習支援の方法としてグループによる対話型の学習を試みることにした。
|