2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児がんサバイバーと家族における晩期障害の実態と学際的介入プログラムの開発
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16390635
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上別府 圭子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70337856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 孔明 東京大学, 医学部付属病院, 特任講師 (60313128)
滝田 順子 東京大学, 医学部付属病院, 講師 (00359621)
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Keywords | 小児がん / サバイバー / 晩期障害 / 心的外傷後ストレス症状 / 家族 / 対処行動 / 健康関連QOL / PedsQL^<TM> |
Research Abstract |
以下3点の研究を実施した。 1.昨年度より、小児健康関連Quality of Life測定尺度「Pediatric Quality of Life Inventory Generic Core Scales 4.0^<TM>(以下 PedsQL^<TM>)」日本語版の開発に取り組み、第1相に続き第2相(逆翻訳)を行い、原著者から了承を得た。その後、第3相(プレテスト)を都内の診療所にて施行し41名の対象者に対する詳細な面接調査を行うことによってPedsQL^<TM>日本語版を完成させ、原著者より最終的な了承を得た。平成18年11月より第4相(信頼性・妥当性の検証)を、都内小児科診療所、小学校、中学校、高校にて1577名の子どもとその親1648名を対象に行った。この結果、PedsQL^<TM>の8-12歳児用、13-18歳児用の信頼性と妥当性が確認され日本での使用可能が示された。また、2-4歳児用、5歳児用、6-7歳児用は、総合得点に対する信頼性は検証されたものの、妥当性は低く、使用に際しては、総合得点での評価にとどめ行うことが適当と考えられた。 2.小児がん治療(化学療法)中に子どもが経験する症状に関して、子どもと家族の体験や対処方法を明らかにするため、観察法および面接・描画法を用いて調査を行なった。観察法では、入院治療中の学童期以上の患児とその家族3組を対象に、入院施設内での参加観察を実施した。面接・描画法については、学童期以上の時期に入院治療を経験した児とその家族8組を対象に、半構成的面接と動的家族画を実施した。以上の方法で得られたデータを用い、現在、グラウンデッド・セオリーの手法を参考に質的に分析を行なっている 3.小児がんサバイバーと家族の心理社会的晩期障害やQOLの実態を明らかにするため、PTSDを測る尺度や我々が開発した PedsQL^<TM>日本語版などを組み合わせた質問紙調査および、面接調査(PTSD) の診断面接、心理社会的晩期障害を尋ねる面接調査、および主治医への診断・治療・晩期障害に関する調査)を計画し、一団体の倫理審査会は通過、本学医学部倫理審査会へは申請中、調査場所となる他の一施設へは申請中である。
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Research Products
(2 results)