2005 Fiscal Year Annual Research Report
独居高齢者の入院生活を回避する戦略と外来看護に導入するナラティブ・ケアの効果
Project/Area Number |
16390646
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 ひとみ 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80173847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 祐美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (40303284)
増田 元香 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60284642)
田宮 菜奈子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (20236748)
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Keywords | ナラティブ・ケア / 外来看護 / 高齢患者満足度 / 入院生活を回避する戦略 |
Research Abstract |
今年度は、総合病院の外来患者満足度に対する調査の結果を踏まえて、「看護師の心理的支援」と「看護師の技能と説明」に関する項目において高い実績のある病院を選択した。その医療機関に外来通院中のひとり暮らしの高齢者を対象にナラティブ・ケアを導入し、ケアの効果としての生活内容の変化や満足度を把握した。具体的には、外来通院中の独居高齢者20名(男性5名、女性15名)を対象として面接を実施した。面接内容は、最近の関心事、ライフ・ヒストリーや趣味と交流内容等であった。面接所要時間は30分から60分であり、同一対象者に2から3回の面接を行った。前年度の内容の分析を継続した。すなわち、会話をStraussらによるグラウンデッド・セオリー法に基づいて記述分析し、ラフなコーディング、オープン・コーディンから軸足コーディング(axial coding)を行った。その結果、「心身機能の衰退と生活リスクの認識」、「介護を受けない生活の継続」、「健康のための努力と成果」、「過去の苦労と自負心」、「私の生活(生き方)を語る」、「他者から受ける世話の量と負い目」と「死までの準備」であった。コア・カテゴリーとして抽出されたのは「私の生活(生き方)を語る」であった。今年度の調査と分析においては、主要なカテゴリーを検証するまでには至らなかった。また、性差を明らかにすることはできなかった。しかし、外来通院中の高齢者は、健康上の問題や不安を語り、自らの生き方を再確認する対象を必要としていることが明らかになった。さらに、看護者としての重大な役割に「高齢者の語り」を支援することが捉えられ、外来看護の機能を検討する必要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)