2006 Fiscal Year Annual Research Report
施設入居高齢者の運動・高次脳機能に着目した新しい健康評価に関する研究
Project/Area Number |
16390648
|
Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50020839)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩月 和彦 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (20004666)
北山 秋雄 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70214822)
本田 智子 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (50325726)
坂口 けさみ 信州大学, 医学部, 教授 (20215619)
大平 雅美 信州大学, 医学部, 教授 (50262738)
|
Keywords | 高齢者 / 高次脳機能 / 運動機能 / 健康評価 / 環境科学 |
Research Abstract |
施設入居高齢者は、外界との接触も少なく画一的な環境であるがゆえに、運動不足から身体機能の衰えが早く、寝たきりになりがちで、それゆえ痴呆様症状も進行しがちである。このような高齢者の運動機能および高次脳機能を現場で簡便かつ精密に測定・評価する方法を開発し、日常生活への看護介入の科学的根拠ともなりうる客観的エビデンスを集積することが本研究の目的である。 当該年度には次のような事を実施した。 1)睡眠に関する検討 NREM期に覚醒した場合とREM覚醒の場合とを比較し、REM期起床の方が早い時間帯で眠気が解消することが示された。これは起床後午前中の活動、思考的な部分に眠気が少ないことを健常人女性を用いて調べた実験である。 2)女性の便失禁に関する検討 3356人の女性に対して質問紙調査を実施し、わが国の便失禁度が諸外国におけるそれと同様の3〜16%であることをあきらかにした。またそのリスク要因を見ると、肥満女性、閉経、圧出分娩などが、発症と関連していた。 3)筋疲労に対する罨法の効果 人において急性疲労を起こさせるモデルを作成し、近赤外線分光法を用いた組織ヘモグロビン動態測定により、筋疲労に対する罨法効果を測定した。その結果、この方法で筋疲労の程度やその回復効果を評価することが可能で、また罨法が筋組織の回復を促進する可能性が示された。 4)高齢者における水中運動継続の効果 当該年度より、高齢者水中運動継続が身体的精神的社会的健康増進にどのように役立っているかを検討している。現在も月2回〜3回の水中運動講座を実施し、その継続による効果と、継続して出席することの意義について検討を進めている。 以上、運動機能、高次脳機能に関連した基礎的な検討を実施し、これらがいずれも簡便な指標或いは方法として、有効であることが示された。
|
Research Products
(4 results)