2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域と学校の人材活用による児童生徒の心の健康づくりプログラムの開発と評価
Project/Area Number |
16390649
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木田 美香子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50303558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 照代 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (80288406)
永井 道子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (80293629)
飯田 澄美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (80070671)
堀 妙子 京都橘大学, 看護学部, 助教授 (40303557)
福永 博文 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (30350911)
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Keywords | メンタルヘルス / コミュニケーション / 自尊感情 / 共感性 / 中学生 / ピアリーダ |
Research Abstract |
中学生のコミュニケーション能力の向上を目指した心理教育的介入については、養護教諭及び保健師の参加を得て、2006年8月に中学生を対象とした心理教育的介入を行い、介入の前後で評価尺度の数値を比較することにより、効果を検証した。昨年度の心理教育的介入に補助的に参加し、その後学内でコミュニケーションワークのトレーニングを行った大学院生6名を中学生のグループのリーダーとして入れた。その結果、精神健康度、身体的症状及びうつ傾向が有意に改善し、自尊感情は有意に上昇した。昨年はグループリーダーを交流分析の学習経験のある大人が行っていたが、大学院生のほうが親しみやすいという意見が得られた。また、中学校の人材である生徒を活用したピアエデュケーションを展開しその効果を検討した。昨年度に引き続き、中学生のピアリーダーを活用したピアリーダーの自尊感情と自己効力感を高めるプログラムを展開した。性教育においては1中学校でピアリーダー(60人)を活用した教育を展開し、ピアリーダーには自己効力感の向上、知識の定着が認められ、教育される側の生徒においても知識や保健行動の意図については教師が授業を行う場合と同程度の効果が得られた。 学校全体への心の健康教育については、平成17年6月の質問紙調査をベースラインデータとし、平成17年11月に2回目の調査を行ない、さらに、平成18年11月に814名の中学生を対象に再度全体的健康感、自尊感情、共感性に関する調査を実施した。平成18年3月にパンフレットを活用した心の健康の教育を2校で実施した。これらの成果を踏まえ、さらに平成19年3月にパンフレットを作成し、配布した。ベースラインデータとの比較では、健康度の推移では、攻撃性の得点が高い群で健康度の不調が続いている傾向にあった。また、テレビゲーム依存が健康度の低下、対人関係の不調、低い共感性と関連することが明らかとなった。
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