2004 Fiscal Year Annual Research Report
市民参加による地域包括的緩和ケアシステムモデル開発の実証的研究
Project/Area Number |
16390654
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
川越 博美 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50297066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村嶋 幸代 東京大学, 医学部, 教授 (60123204)
島内 憲夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00053372)
麻原 きよみ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80240795)
福井 小紀子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40336532)
長江 弘子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10265770)
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Keywords | 緩和ケア / 地域緩和ケアシステム / 市民参加 / 協働 / 地域緩和ケアチーム / 市民ボランティア / 緩和ケア専門ナース / 情報共有 |
Research Abstract |
本研究は、市民参加による地域包括的緩和ケアシステムモデルを開発することである。地域包括的緩和ケアシステムモデルの柱を、(1)地域緩和ケアチームでケアを提供する(2)市民が主体的にケアに参加する(3)行政との協働によりシステムを構築するとし、平成16年度は、地域緩和ケアチーム基準を作成することを目的に研究を行った。まず「チームケア」「緩和ケアチーム」の概念を明確にするためにシステマティックレビューを行った。次に明確になった概念から地域緩和ケアチームの要素を抽出し地域緩和ケア基準作成のための全国調査用調査用紙の調査項目を抽出した。文献検討では、CINAHLでcommunity health serviceを含んだ文献を抽出し、さらにpalliative, terminal, hospiceがタイトル、アブストラクトに含まれた150文献を抽出した。150文献の要約を研究者3名で読み、3名のうち2名が地域緩和ケアチームに有用とした78文献について検討した。78文献からチームの定義・チームの形態・チームで実施したケアチームでの情報共有手段・チームケアのアウトカムについてまとめた。また医療チームに関する著書、地域看護学や緩和ケア学のテキストも参考にした。 文献検討の結果、(1)地域での緩和ケアチームは、専門チームと一般的なホームケアチームがあり、緩和ケア専門チームの役割はケア提供とともにコンサルテーションがあった。(2)病院と地域を結ぶ専門的チームが配置されていた。(3)チームメンバーは多様であり市民ボランティアが重要なメンバーであった。またチームの核をなしている専門職は、看護師であり、看護職は緩和ケア専門ナースとしての教育を受けていた。(4)緩和ケアチームの重要な要素は情報共有であり、専門職だけの情報共有にとどまらず、患者や家族との情報共有が大きな要素となっていた。また同一組織のチームと多組織でつくるチームがあり、チーム内での役割や地位、業務の内容を明らかにしておくことが重要である。 以上の要素をチームケア基準とし作成し、基準の信頼性、妥当性を検証するための全国調査用調査用紙を作成した。
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