2005 Fiscal Year Annual Research Report
市民参加による地域包括的緩和ケアシステムモデル開発の実証的研究
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16390654
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Research Institution | St.Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
川越 博美 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50297066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村嶋 幸代 東京大学, 医学系研究科, 教授 (60123204)
麻原 きよみ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80240795)
島内 憲夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (00053372)
掛本 知里 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (60254562)
長江 弘子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10265770)
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Keywords | 地域緩和ケア / 緩和ケアチーム / 緩和ケア専門看護師 / 市民参加 / 協働 / ホスピスボランティア / 情報共有 |
Research Abstract |
平成17年度は緩和ケアチームの基準作成のために訪問看護ステーションを対象とした全国調査と市民参加型の在宅ホスピスボランティア(以下、ボランティアとする)教育プログラムの開発に取り組んだ。 全国調査では有効回答数981ヵ所の訪問看護ステーションの1,389事例を分析した。その結果自宅で最期まで過ごせた事例は同一組織の医師・看護師に加え介護支援専門員、ヘルパーがケアを提供していたが、その他の職種の介入はほとんどなかった。ホスピスケアの専門教育を受けた看護師が関与した事例も1%未満だった。在宅死の689事例(49%)ではチームメンバーとケア内容の主観的評価が病院死の692事例(50%)よりも有意に高かった。以上の結果から専門看護師が非常に少ないながら在宅死まで支援している現状が明らかになった。今後文献検討からも見出されたチームの核になる専門教育を受けた看護師の育成が早急に必要である。 市民参加型ボランティア教育プログラムの開発では、市民・専門職・行政の協働により行った。本学のインターネットや市民交流会に応募した市民17人が企画段階から加わり、看護師、介護支援専門員、社会福祉協議会職員、大学関係者の専門職と行政の9人と共に準備会を開催し、市民の意見を反映させたボランティア講座のプログラムを開発・実施した。45人が受講したプログラム評価は、講座前後のアンケート調査と終了後のグループインタビューにより行った。この結果、参加者はボランティアに関する知識が高まり、受講前後で、がんいよる在宅死の実現可能性の認識が有意に高まった。参加者は受講後、既存の在宅ホスピスボランティアグループへの登録(10人)や、本学を拠点としたボランティア活動の基盤作りへの取組み(10人)を始めた。ボランティアに関する知識の理解・認識の高まり(86%)・行動変容(44%)もみられ、プログラムの有効性が示唆された。
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