2006 Fiscal Year Annual Research Report
イラン・ザーグロス山地コル川流域地方の40年の社会変容
Project/Area Number |
16401001
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
原 隆一 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (70198901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中堂 幸政 大東文化大学, 教授 (60188498)
後藤 晃 神奈川大学, 経済学部, 教授 (70012987)
南里 浩子 東京国際大学, 人間社会学部, 非常勤講師 (20438790)
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Keywords | 村落の成立と遊牧民の系譜 / 水資源利用の変化-カナートからポ / イラン農村の家族・親族・女性の変化 / イラン農地改革と土地売買契約書 / イランの農村部の教育と医療保健の / イランの農村から町への移動 / 航空写真とGIS / イラン・イスラム革命と農村の対応 |
Research Abstract |
1.海外フィールド調査 本年度は、研究実施年の3年目にあたる。2006年の夏期、約2ヶ月5名(研究分担者の原、後藤、南里、研究協力者のケイワン・アブドリ、ファラフナズ・モスタンセファット)、2007年の春期、約1ヶ月2名(原、南里)は、イラン国南部の地方都市シーラーズ市を拠点に、コル川流域の中心町であるマルブダシュト、定点調査農村であるヘイラーバード村とポレノウ村での調査を継続したほか、コル川上流のラームジェルド地域や下流のコルバール地域にあるバンデアミール町、遊牧・農村地域への広域移動調査を実施した。 (1)ヘイラーバード村、ポレノウ村、エザバード村、バンデアミール地方の農村で、1960年代初頭の農地改革時、1979年から80年代初頭のイスラム農地改革時の土地売買契約書(サナド)を入手し、地主と農民の土地・水所有関係を文書資料とフィールド調査によって分析することができ、調査研究を一歩、深化させた。 (2)ヘイラーバード村にくわえ、ポレノウ村で定点調査を再開し、2007年度春の調査時までに同村の家族表を作成できた。これにより、2村の特徴比較、70年代との時系列変化を分析する基礎資料が整備された。これをうけ、農村部からマルヴダシュト町へ移り住んでいった2村の出身家族の実態を追跡調査することが可能となった。これは、最終年度の補充調査の中心課題となる。 2.研究会・海外研究者との研究交流 国内では、夏期の海外現地調査(06年8月〜9月)の前に3回、春期の海外現地調査(07年3月)の前に4回、計7回の研究会を大束文化会館で開催した。 (1)研究分担者の現地フィールド調査の報告、(2)50年にわたる写真データベース作りの研究会(イラン現地の旧地主階級から古い写真の収集、東京大学総合研究博物館に所蔵されている1950年代の日本人考古学調査隊が見たマルヴダシュト地方農村の生活写真の選択とデジタル化と解説、大野盛雄氏の1960年代からの記録写真のデジタル化と解説)。 イラン現地では、海外共同研究員となっているシーラーズ大学のキャブガニ教授(GIS研究)、アマノラヒー教授(文化人類学、遊牧民研究)と研究課題に関して活発な研究交流を行った。
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Research Products
(7 results)