2004 Fiscal Year Annual Research Report
古代アナトリア考古、文字資料の保存修復と研究-カマン・カレホユック出土遺物を中心に-
Project/Area Number |
16401021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
吉田 大輔 (財)中近東文化センター, 学術局・アナトリア考古学研究所, 研究員 (20280670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 幸弘 (財)中近東文化センター, 学術局・アナトリア考古学研究所, 主任研究員・所長 (10260142)
大村 正子 (財)中近東文化センター, アナトリア考古学研究所, 研究員 (80370196)
中井 泉 東京理科大学, 理学部第一部, 教授 (90155648)
渡辺 和子 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (00223397)
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Keywords | 保存修復 / 粘土板文書 / 印章 / 楔形文字 / 象形文字 |
Research Abstract |
1.保存修復:カマン・カレホユック出土遺物の保存修復作業は2004年度第19次発掘調査で出土したものを中心に、一部前年の第18次調査の遺物も対象とした(金属製品、土製品、象牙/骨製品など総数405点)。また今回はクルシェヒール考古学博物館に収蔵されているものについても詳細な調査が行われ、一部に保存処理が施された(2004年6月末〜10月中頃)。 2.化学分析:蛍光X線分析装置、実体顕微鏡など現有の設備、機具を用いて出土遺物の化学組成の分析にあたった。また年代測定のためのC14の資料が採集され、その資料の分析が進められている(2004年8月〜9月)。 3.キュルテペ文書の研究:2004年度は1996年のキュルテペ遺跡発掘調査によってカールム地区(アッシリア商人の居留地)から出土した粘土板文書246点(アナトリア文明博物館所蔵、アンカラ)について点検した。大きさを計測し、写真をとり、内容を確認した。その結果、主要な文書群はエディン・アッシュルの息子トゥーラム・イリーという人物のアーカイヴであることが明らかとなった。そのほかにベーラーヌム、アシュル・マリクのアーカイヴに属する文書も混在していることが確認された。(2004年7月〜8月)。 4.印章資料の研究:カマン・カレホユック出土の印章資料に関しては「円形遺構1」出土の印影付粘土塊(ヒッタイト‘中王国'時代後期)、特に1995年第10次調査で出土した187点に重点を置いて、実測図の作成、デジタルカメラによる写真撮影、遺物の注記等を行った。またキュルテペ及びカマン・カレホユック出土の古アッシリア商人居留地時代の印章資料の研究も進められた(2004年7月〜8月)。
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Research Products
(5 results)