2004 Fiscal Year Annual Research Report
台湾集集鎮における復興過程の構造化と世界の都市復興アーカイブに関する研究
Project/Area Number |
16401022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村尾 修 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (70292753)
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Keywords | 台湾集集地震 / 集集鎮 / 都市復興 / 復興アーカイブ / 唐山地震 / 空間復興モデル / 復興過程 / 復興曲線 |
Research Abstract |
1999年以降研究代表者が実施してきた台湾集集鎮における過去の調査と今年度取得した情報を用いて,集集鎮の復興過程を記述する空間復興モデルを提案し,その復興の過程を明らかにした.その流れは以下のとおりである. 1)まずは複数回にわたって継続的に実施した調査により入手した「南投県集集鎮災後重建綱要計画」などの資料をもとに集集鎮における復興方針について概要をまとめた. 2)次にIKONOS画像と現地での建物状況把握調査により,当該地域のGISベースマップと復興過程データベースを作成した. 3)地域の物的環境である建物や土地に関する復興の状況を記述するために,「その他(被害なし・一部損壊)」,「半壊」,「全壊」ごとの空間復興モデルを提案した. 4)作成したGISデータベースの建物属性と調査で得られた再建のための建設工期および費用などのデータを用いて,提案した空間復興モデルを対象地区の公共空間(公共施設)に適用し,41の事例ごとの空間復興モデルを作成した. 5)ここで得られた各々の空間復興モデルを包括的に処理し,集集鎮中心地区の公共空間の復興過程を記述した.そのために,質的な復興状況を示す「単位空間量」と実質的な都市空間の復興状況を示す「実質空間量(総面積)」の概念を導入した.そして,4年間の復興の状況(仮設住宅や復興住宅等の建設および解体の状況,「全壊」や「半壊」など被災判定ごとの復興状況の相違など)を復旧・復興曲線として視覚的に示すことができた. また,集集鎮の復興過程を示す画像データをデジタルアーカイブとしてDB化し,民間施設の復興過程に関する分析も行った. 以上の研究成果について,国内外の学会および論文集として発表した. また復興過程の事例のひとつとして1976年の地震により大きな被害を受けた中国の唐山を訪れ,資料等を収集した.
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Research Products
(3 results)