2006 Fiscal Year Annual Research Report
台湾集集鎮における復興過程の構造化と世界の都市復興アーカイブに関する研究
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16401022
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村尾 修 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (70292753)
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Keywords | 台湾集集地震 / 空間復興モデル / イメージ・アーカイブス / 復興再建過程 / 南投県 / 集集鎮 / 復興曲線 / 構造化 |
Research Abstract |
平成18年度は以下のことを行い,論文および著書としてまとめ,発表した. [集集鎮における空間的変容と復興再建過程] 過去5年間にわたり調査・観測してきた集集鎮の復興過程の記録に基づき分析を行い,地区の復興状況の変化と世帯の復興再建過程を明らかにした.まず,復興関連の写真を整理し記録するためイメージ・アーカイブス・データベースを構築し,そこで得られた情報を衛星画像と現地調査から作成したGIS基図上に入力し,集集の復興過程データベースを構築した.第2にこれらのデータに空間復興モデルを適用し,集集鎮の地区としての復興過程を明らかにした.第3に民間施設の復興状況をその被災状況と復興過程から分類し,「全壊・再建」と「空地・新築」についての復興再建過程チャートを作成し,それぞれの5年間の復興類型について考察を行った. [復興過程の構造化] 次に1999年台湾集集地震により被災した集集鎮での復興事例に基づき,復興事象の構造化を試みた.そのために過去に得られた多くのヒアリング調査記録を用いて,一連の復興過程の中でのリサーチ・クエスチョンを抽出し,各段階での復興研究の視点を提案した. [集集鎮の住宅再建に関する復興曲線の構築] さらに,2006年6月までの南投県建築物使用許可データと集集鎮の公共施設建設データを用いて,集集鎮における被災後の1999年台湾集集地震の建物復興曲線(被災した建物の再建,被災していない建物の新築,全壊した公共建物の再建,そして仮設住宅の建設)を構築した.被災後の経過月数と建物竣工率は,標準正規分布の累積確率分布関数を用いて,正規分布で表せると仮定した結果,高い相関で近似させることができた.そして,それぞれの建設状況の時間的違いを明らかにすることができた. [都市復興アーカイブズ構築の意義の検討] 都市の生成過程は数百年のオーダーを要する.その時間帯の中で復興デジタルアーカイブスを構築する意義について検討した.それらについて著書としてまとめた.
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Research Products
(5 results)