2006 Fiscal Year Annual Research Report
戦前期南洋の地域形成と沖縄県出身移民に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16401024
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
町田 宗博 琉球大学, 法文学部, 教授 (10145518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲程 昌徳 琉球大学, 法文学部, 教授 (50044863)
宮内 久光 琉球大学, 法文学部, 助教授 (90284942)
鍬塚 賢太郎 琉球大学, 法文学部, 助教授 (40346466)
大石 太郎 琉球大学, 法文学部, 講師 (70433092)
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Keywords | 沖縄 / 移民 / 南洋 / 日本統治下 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本研究では、内南洋と外南洋における沖縄県出身移民の形態を比較することを念頭に置きながら、(1)沖縄県出身移民の移動現象そのものを解明すること、(2)沖縄県出身移民が南洋の地域形成にどのように関与していたのかを空間的に解明すること、(3)沖縄県出身移民の生活経験を、彼ら自身あるいは現地住民の証言から記録すること、を目的とし、あわせて、収集した資料をデータベース化し、統計ソフトやGISソフトを用いて分析・考察を行うことにしている。そのために、本年度は次のことを実施した。まず、戦前期南洋でも多数の日本人が居住していたダバオ、マニラ、シンガポールについて、出身地などを含めた居住者の特性を把握するために、当該地域で発給された「外国旅券下付出願に要する在外公館発給各種証明書」の交付人名表について、その写しを外務省外交史料館から入手した。次に、沖縄県庁所蔵の「引揚者在外事実調査票(1万3千人分の情報記載)」について、昨年度に引き続いてデータベース化作業を実施した。さらに、外南洋のうち、多くの沖縄県出身移民が存在したフィリピンとニューカレドニアの現地調査を行った。まずフィリピンでは、多くの沖縄県出身移民がマニラ麻(アバカ)栽培に従事したダバオにおいて、戦前期における沖縄県出身移民の居住状況などを把握するために、沖縄ダバオ会の協力を得て現地調査を実施した。その際、事前に米国公文書館等で入手した1940年代の地形図や米軍撮影空中写真のGIS化を行い、かつての集落やアバカ耕地跡などの確認作業を帰還者の証言やGPSなどを利用して行った。また、今年度より開始したニューカレドニアの調査では石川友紀博士(琉球大学名誉教授)を研究協力者に迎え、沖縄県出身移民二世や三世や帰還者の調査を実施した。残された文書資料がきわめて少ないため、その探索も行っている。なお、本研究課題の成果の一部を取り入れた大学の講義に関する実践報告もまとめた。
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Research Products
(7 results)