2004 Fiscal Year Annual Research Report
「アレヴィー・ベクタシ」集団のエスニシティと社会的文化的秩序の変化と持続-トルコ・ヨーロッパにおけるトルコ系集団を中心にして-
Project/Area Number |
16401034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
佐島 隆 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (40192596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 直人 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (20181951)
井谷 鋼造 追手門学院大学, 文学部, 教授 (60144309)
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Keywords | アレヴィー(Alevi) / ベクタシ / エスニック・グループ(少数民族問題) / ジェム儀礼(Cem) / イスラーム / セイイド(サイード) / チュルクメン / トルコ / ブルガリア / ギリシア / ドイツ |
Research Abstract |
トルコ共和国では本年も継続的にハジ・ベクタシ・ヴェリ記念祭を観察した。その時、アレヴィーとベクタシとの間に亀裂が明瞭に見られた。そしてトルコ全体でもアレヴィー諸集団・緒組織間に政治的思想的文化的に相違対立が明瞭になってきた。またテュルクメンのチェプニやタフタジュにもアレヴィーの帰属意識を持つ者が多いとされる。それをバルケシル県で調査し、概要を把握した。 東部トラキア(トルコ)ではババイBabai,アリ・コチルAli Koclu,バルム・スルタンBalim Sultan,クズルディリKizildeli,サル・ケチェリ・テュルクメンSari Keceli Turkmenの分布を明確にでき、祭礼の観察も行った。西部トラキア(ギリシア東部)では当該集団の調査をし、社会的文化的な資料化を図り、そしてクズルディリ廟の調査を開始し、碑文の転写など資料化を図った。ブルガリアに関しては、夏に、東ロドピ地方と東バルカン山脈北麓のアレヴィー/ベクタシ系の人びとの生活、社会的文化的な実態調査を開始した。 12月には公開研究会を開催し、関心を持つ人たちにそれまでの成果を公表した。またセイイド(サイード)、系譜についても考え、「アレヴィー」の出自、アレヴィー集団の帰属意識に関する議論も行い、また「アリ信仰」にもつながる視点、視座の検討を意識することができた。 2005年3月には、ブルガリアではバルカン山脈北麓のアレヴィー集落、ロドピ地方のババイ、諸祭礼の観察、調査を行った。またドイツのトルコ移民、トルコ系ドイツ人の中のアレヴィー集団について調査を行った。ヨーロッパ全体の本部のあるケルンのアレヴィー組織、フランクフルトでは文献の収集とアレヴィー系組織の調査を行った。ブルガリアとドイツに関しては、今後の調査と共に、成果の発表へと結びつける予定である。
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Research Products
(19 results)