2005 Fiscal Year Annual Research Report
「アレヴィー・ベクタシ」集団のエスニシティと社会的文化的秩序の変化と持続
Project/Area Number |
16401034
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
佐島 隆 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (40192596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 直人 京都橘大学, 文学部, 教授 (20181951)
井谷 鋼造 追手門学院大学, 文学部, 教授 (60144309)
寺島 憲治 東京外国語大学, (非)講師 (10378325)
石川 真作 国立民族学博物館, 外来研究員 (20298748)
斎藤 完 山口大学, 教育学部, 助教授
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Keywords | アレヴィー(Alevi) / ベクタシ / エスニック・グループ / ジェム儀礼(Cem) / イスラーム / トルコ・イスラーム統合 / トルコ系移民 / デデ / ババ / セイイド / トルコ / ブルガリア / ギリシア / ドイツ |
Research Abstract |
トルコ共和国。(佐島が)ハジ・ベクタシ・ヴェリ記念祭を「定点観測」した。今年は亀裂が明瞭化し、ジェム・ワクフ(これはベレディイェやアレヴィー・イスラームに関連する)とフェデラシオヌとの対立が公的にも明瞭になった。 アンカラ近辺では(研究協力者上原三紀子が)アイドス・ワクフ所属の55ヶ村全て回った。しかし補充調査が必要である。 トルコ東南部のアラブ・アレヴィーに関しては、研究協力者の齋藤久美子が、トルコ・アレヴィーとの違いを調査し明らかにし始めた。この問題はシリアのヌサイリー派と関連することから、ヌサイリー派に関する調査をも考慮した。 ブルガリアでは(寺島と研究協力者の上岡弘二が)集落調査をし、そのデータと共にアレヴィー・ベクタシ関連の施設や聖者廟が新たに作られる過程が明らかになってきた。 ギリシアやトラキア地方に関しては政治的な関連で今回調査に至らなかった。当地の祭礼に参加、観察する予定であったが、(斎藤完は本務の関係で)現地の突然の変更に対応できなかった。 ドイツに関してはケルン、デュースブルグ、ハンブルグ、ベルリンにおけるアレヴィー系諸組織の調査を(石川、南、佐島が実施)し、聞き取りと関連文献の収集をした。それによりトルコ系移民の中でのアレヴィー文化の状況・実態ばかりでなく、20世紀現代トルコの政治・宗教の動向との関連が明瞭になってきた。トルコ現代史との関連でアレヴィー系諸組織の成立とその展開を明らかにできる方向性が明瞭になってきた。 儀礼の資料化は、アンカラ周辺でアブダル・ムサ儀礼(ジェム儀礼の一種)、ドイツでアレヴィー関連儀礼などをビデオカメラによって撮影をし、資料化を図った。
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Research Products
(5 results)