2006 Fiscal Year Annual Research Report
「アレヴィー・ベクタシ」集団のエスニシティと社会的文化的秩序の変化と持続
Project/Area Number |
16401034
|
Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
佐島 隆 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (40192596)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 直人 京都橘大学, 文学部, 教授 (20181951)
井谷 鋼造 追手門学院大学, 文学部, 教授 (60144309)
斎藤 完 山口大学, 文学部, 助教授 (10403635)
寺島 憲治 東京外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (10378325)
石川 真作 京都文教大学, 人間学研究所, 研究員 (20298748)
|
Keywords | アレヴィー(Alevi) / ベクタシ / エスニシティ / エスニック集団 / ジェム儀礼(Cem) / スンニー・イスラーム化 / トルコ系移民の生存戦略 / 「聖者」の生成 / 聖者廟の創出 / トルコ / ブルガリア / ギリシア / ドイツ / イギリス |
Research Abstract |
補充調査の実施場所はアナトリアのハジュ・ベクタシ町、アンカラ地方の諸集落、トラキア地方とギリシアの聖者廟や碑文と共同体、ブルガリアの集落、墺、英のアレヴィー関連諸協会である。 (1)ハジュ・ベクタシ町では記念祭や遺体処理などの調査。記念祭では政治的に三極の勢力が軋轢をおこし始め、アレヴィー/ベクタシ自体の変化をも観察できた。政治化も顕在化。遺体処理の仕方については移民先から遺体を搬送する場合をも調査。(2)アンカラ周辺については、アイドス・ワクフに属するアレヴィー系集落の調査を持続。他にベイパザル地区のアレヴィー/ベクタシ集落を調査した。いずれについてもスンニー・イスラーム化の実態、トルコ宗務庁への擦り寄り、ジェンダーの変容などが観察された。(3)ブルガリアではアレヴィーやベクタシが「生きている」集落を実態調査。諸成果の一つとして聖者の生成過程、聖者廟の創出過程を観察できた。(4)トラキア地方のアレヴィー/ベクタシの状況の調査を実施。この地域はほとんどがベクタシであった。ギリシアやブルガリア南部のアレヴィー/ベクタシの中心拠点であるクズルデリ廟およびその周辺の調査を実施。その活動、他民族との関係、碑文からの歴史的事実、などが明らかになってきた。(5)独、墺、英のアレヴィー集団の活動拠点である諸協会を調査。協会の活動や儀礼を実態調査し、資料化した。墺、英の協会については概括を把握。独は人数が多いため主要都市の協会を実態調査。そこではスンニー・イスラームやトルコ・イスラームの影響、各々の国の中で生存を図る所にアレヴィー「文化」が関連している状況なども見えてきた。概略を把握したが、さらなる調査が必要。 以上のことは『報告書』に反映される。またアレヴィーの名称問題もあり、アレヴィー/ベクタシの関連資料を独英日で閲覧・収集。収集した文献の資料化も図った。他にアレヴィー放送局などのアレヴィー関連メディアの実態調査、アレヴィー宗教教育に関しても調査した。資料化を目指している。
|
Research Products
(7 results)