2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国のメディアの対日報道と対日意識の関連-社会調査と内容分析による実証研究-
Project/Area Number |
16402007
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 健一 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (90193250)
|
Keywords | 中国 / 対日意識 / 反日デモ / 消費民族主義 / 態度 / 愛国心 / 上海 / ナショナリズム |
Research Abstract |
上海で7月に対日意識と反日デモに関する住民アンケート(男女、年齢を割り当てた合計600人)を実施した。その結果は、2005年日中社会学会研究集会(東京・筑波大学)にて『中国における日本ブランド志向と対日意識』のタイトルで口頭発表を行い、さらにその内容の一部を『日中社会学会ワーキングペーパー集』に論文にまとめて発表している。分析の結果、所期の仮説に反して、インターネット利用が反日意識と関係がないこと、若年齢層ほど反日意識は低いことや、地域差がかなり大きいことが見出された。反日意識は、日本商品のボイコット(消費を減らすネガティブな効果)には有意には関連していなかった。また、愛国主義教育が対日意識と関連をもつらしいことも、結果から示唆された。一方、日本からの中国報道の動向を分析するため、朝日新聞のデータベースを用いて、アルバイトの学生により10年間の朝日新聞の記事の内容分析を行っている。この分析の目的は、中国についてネガティブ/ポジティブな記事の傾向を分析するものである。さらに、人民日報の日本記事を対象とした中国側からの日本報道の分析も計画している。これらの分析結果はまだまとまっていないが、今後論文および著書としてまとめる予定である。さらに、2006年1月には、北京市民800人を対象として対日意識に関する二回目のアンケート調査を実施した。この調査では、対日意識に共産党のイデオロギー宣伝が及ぼす影響を分析するために、「英雄」「日本人」について自由連想法を用いて調査を行ったほか、いくつかの心理尺度も適用した。この調査結果は、現在分析中であり、今後論文にまとめる予定である。
|
Research Products
(1 results)