2004 Fiscal Year Annual Research Report
市場システム形成下での中国西部地区経済の国内・国際的リンケージに関する調査研究
Project/Area Number |
16402013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
座間 紘一 桜美林大学, 経済学部, 教授 (30034870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 権 桜美林大学, 経営政策学部, 教授 (40296405)
小松 出 桜美林大学, 経済学部, 教授 (10162041)
任 雲 桜美林大学, 国際教育センター, 助教授 (00337891)
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Keywords | 西部地域開発 / 地域経済 / 開発経済 / 資本移動 / 農村「出稼ぎ労働」 / 農村金融 / 国有企業改革 / 生態農業 |
Research Abstract |
今年度は初年度であるので西北、西南の拠点としての西安、重慶の調査を重点にし、東部地域の北京、上海、隣接地域の湖北の調査を行った。即ち、(1)西安・北京調査(調査期間=2004/08/09-08/15:調査者=座間、小松:08/09-07/17:金山、万:08/09-08/17:任:08/13-08/14李、胡)、(2)湖北省調査(2004/12/25-2005/01/04:任)、(3)上海調査(2005/02/22-02/26:小松)、(4)重慶調査(2005/03/20-03/27:座間、金山、万、胡、陳:03/16-03/27:小松)である。 調査対象機関は国資管理部門、招商局、発展計画委員会、県政府、金融機関、信用連社、国有企業、民営企業、外資系企業などである。 得られた知見は以下の通り。(1)資本移動:東部地域の企業の西部への投資はさほど多くない。東西地域間の資本移動を妨げる経済社会的な地域特性の存在と西部地域の内在的発展要因と発展メカニズムの掌握の必要性がある。(2)金融:内部地域経済の振興にとって金融の役割は大きい、特に地域特性内陸地域の外部資金誘致の必要性、地方県市から大都市への資金流失による地方経済発展の阻止、地方経済発展における地域金融の重要性が指摘される。(3)就業問題:内陸農村労働力の「出稼ぎ労働」の地域経済への役割は大きい。労働力のプッシュとプルの地域間関係、各種職業訓練の実態把握、資金の還流と技術や経営のノウハウの農村地域への持ち帰りの役割が指摘される。(4)「退耕還林」の環境保全農業の実態と農家所得増進の試みが進展し、いくつかの先進事例が見られる。(5)一般競争部門である大型小売業において国有企業が依然として強い競争力を持っている(重慶)。(6)政府と党の役割:国有資産管理会社の資産管理と企業集団化において依然として強い行政的運営をし、企業の自主性を殺いでいる(重慶)。(7)道路や都市建設の膨大なインフラ投資による地域経済の活性化と不動産騰貴(バブル化)の危機、などである。
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Research Products
(4 results)