2005 Fiscal Year Annual Research Report
市場システム形成下での中国西部地区経済の国内・国際的リンケージに関する調査研究
Project/Area Number |
16402013
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
座間 紘一 桜美林大学, 経済学部, 教授 (30034870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 権 桜美林大学, 経営政策学部, 教授 (40296405)
任 雲 桜美林大学, 国際教育センター, 助教授 (00337891)
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Keywords | 西部地域開発 / 地域経済 / 開発経済 / 資本移動 / 農村金融 / 農村過剰労働力 / 外資導入 / 国内市場形成 |
Research Abstract |
今年度は以下の現地調査を実施した:(1)四川省成都・綿陽・井研県(参加者:座間、任、小松、胡遅、羅静)(2)湖北省宜昌市・宜都県(座間、金山、任、小松、胡遅、羅静)(3)陝西省西安市・商洛市(小松)、(4)西安市(金山)、(5)北京(小松) 得られた知見は以下のとおり:(1)では1)土地や資源が国有であるため、水利や電源の管理権・利用権設定が中央集権的に行われ、地元住民は不利な状態に置かれている。2)「退耕還林」等の環境保全策も中央からの財政支援が不十分で、地元住民の犠牲の上に中国全土の環境保全策がなされている。3)農業の産業化では政府の指導の下で養豚、養兎、果樹など大規模な垂直統合が図られつつある。4)農村過剰労働力の移出のための職業訓練・受け入れ先との連携が進み、労働力移動の規範化がなされつつあるが、過剰労働力の圧力は依然として大きい。(2)では、1)宜昌は西部への玄関口である。今後物流拠点として発展するだろう。三峡ダム建設は長江での大型船の運航を可能にしたが、葛州、三峡の二つの堰通過には時間がかかるので、道路建設が進めば宜昌からの陸運が発展するであろうからである。2)宜都では東部からの企業の進出とそれを促す地元政府の優遇策を知ることができた。業種によって消費地及び生産地として西部地域の今後を占うことができた。3)農業の産業化ではチョウザメ、柑橘、茶などのインテグレート化がここでも見られた。4)宜都の五眼泉郷鶏頭山村は「社会主義新農村」のモデル地域で貧困からの脱却のあり方を知ることができた。(3)では農村小額貸款の普及状況を検証した。農村信用社が支配的におこなっているとのことであったが、言外に民間金融制度の存在が感じられた。(4)では西安に進出している日本のブラザーミシンを調査し、西部地域進出の動機、メリット、デメリットを検証した。(5)では社会科学院の農村関連研究者から農村小額貸款の状況について知見を得た。
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Research Products
(3 results)