2006 Fiscal Year Annual Research Report
市場システム形成下での中国西部地区経済の国内・国際的リンケージに関する調査研究
Project/Area Number |
16402013
|
Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
金山 権 桜美林大学, ビジネスマネジメント学群, 教授 (40296405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 出 桜美林大学, 経済学部, 教授 (10162041)
任 雲 桜美林大学, 国際教育センター, 助教授 (00337891)
|
Keywords | 中国経済 / 地域経済 / 開発経済 / 資本移動 / 農村経済 / 企業経営 / 物流 / 産業集積 |
Research Abstract |
今年度は以下の行政機関、企業、農民調査および研究交流を行った:(1)湖北省宜昌市および五峰県、宜都市、(2)四川省成都市、井研県、四川省社会科学院、(3)上海市。得られた知見は以下の通り:1)宜昌市は西部地区への物流中継センターとしてのインフラ、公路、鉄道などの交通面の整備が進行中で、今後、繋ぐ物流拠点としてのみならず、省西部の一大産業集積拠点としての発展が展望できる。2)宜昌市は三峡ダム建設で大きく変貌しつつあるが、産業集積はまだまだである。今後1)と結びつけた産業構造と産業集積が期待される。3)宜昌への東部からの進出企業は現在それほど多くない。進出したアパレル企業の太平鳥集団は全量輸出向け製品生産であり、中西部市場向け事業展開は今後の課題であった。4)宜都市は誘致企業を竜頭企業とする農業産業化が進んでおり、豊島集団(果実加工)の誘致に際しての市政府の役割および企業と農民との関係は示唆に富む。4)宜都市の黄蓮頭村の請負責任制でのため池管理は農業生産インフラの新たな管理方法を提起している。5)五峰県の山村の「扶貧」活動は限界地域をどうするかという問題を提起している。6)井研県の新農村モデル村は、農業の産業化の実態および竜頭企業の関係、移転労働力のための職業訓練、出稼ぎ状況、生活インフラ整備が進んでいるが、すべての手だてが上からとられ、農民はそれに呼応する形になっている。7)情報産業の集積状況と進出企業の状況について四川省情報産業庁、インテル、中光集団での聞き取りでは、成都地域の情報産業の集積の大きさ、地域における優秀な人材の多さ、東部と比較しての賃金の安さなど、地域的特徴が明らかになった。8)四川社会科学院では、四川省の経済概要と今後の発展展望について包括的な報告を聴き、農村経済研究所と農村問題に関して、西部大開発研究中心と産業集積についての調査委託、共同研究の協議を結んだ。
|
Research Products
(5 results)