2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国の政府間財政関係に関する調査研究-分税制以降の省レベル以下の行財政を中心に-
Project/Area Number |
16402017
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
張 忠任 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (70326403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 二郎 大東文化大学, 経済学部, 助教授 (50365855)
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Keywords | 寧夏回族自治区財政庁 / 陜西省財政庁 / 延安市財政局 / 甘粛省財政庁 / 天水市財政局 / 貴州省財政庁 / 遵義市財政局 / 雲南省財政庁 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、計画の通り順調に実施できてきている。2006年8月から、前後して研究代表者張忠任と研究分担者内藤二郎は、海外共同研究者である中国財政部・財政科学研究所副所長王朝才教授を通じて、同所の劉徳雄研究員に同伴してもらい、中国各地の財政庁・局の協力を得て、十分な研究調査作業を行うことができた。具体的に調査を実施したのは、寧夏回族自治区財政庁、陜西省財政庁及びその所属の延安市財政局、甘粛省財政庁及びその所属の天水市財政局、貴州省財政庁及びその所属の遵義市財政局、雲南省財政庁であった。聞き取り調査のほかに、数多くの資料収集も行った。寧夏回族自治区と甘粛省で貴重な資料も入手できた。2006年度の研究調査を通じて、中国の政府間財政関係への認識をさらに深めた。特に、貴州省と雲南省の調査を通じて、地級市財政体制の3つのモデル(省財政が直接県財政を管理するという「省管県」モデル、地級市が完全な財政自治権を持つ「市管県」モデル及び財政自治権が不完全な「省管市」モデル)を解明した。また、郷鎮財政権を撤廃した「県管郷」体制もよく見られる。つまり、地方行政の4層制の下で地方財政の3層制ないし2層制が形成されている。さらに、所得税(企業と個人)改革とその政府間財政関係への影響、「出口退税」改革後と増値税改革後の地方財政の変容もはっきりになった。ただし、財源の上部集中現象が目立つが、近年中国の財政収入の急増によって2004年に見た末端政府の財政難が軽減されていることも分かった。分税制改革後予算外資金の変遷と「費改税」改革は次年度の課題となっている。 2004年から2006年までの研究成果のまとめとして、2006年11月に中国財政部・財政科学研究所にてシンポジウムを開催した。2007年11月に大東文化大学で研究成果報告書を完成するため、最終のシンポジウムを開催する予定である。
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Research Products
(1 results)