2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジア太平洋における専門・技術職国際移動者の生存戦略とネットワーク
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16402034
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
石井 由香 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 助教授 (20319487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 政美 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (20129498)
浅川 晃広 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 講師 (80402410)
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Keywords | 専門・技術職移動者 / 中間層 / エスニック・ネットワーク / オーストラリア / アジア系 / 社会学 |
Research Abstract |
本研究計画は、今年度が計画の最終年度である。本年度は、8月にオーストラリア現地追加調査を行い、また、最終年度ということで、調査内容の検討、分析に力を入れた。 2年間の研究の成果は、次のように要約される。まずオーストラリアの専門・技術職国際移動者受入政策については、受入政策の進展、また州レベルでの独自の政策に関して、その推移を把握した。さらに、現在のハワード政権の下で、経済的多文化主義(economic multiculturalism)ともいうべき政策が推進されており、アジア系専門・技術職従事者の状況もまた、こうした政治状況に影響を受けていることが明らかになった。 アジア系専門・技術職国際移動者の生存戦略とエスニック・ネットワークという点では、当初、彼らはホスト社会での生活に満足し、政治や社会への参加にはそれほど関心を持たず、主に自らのアイデンティティ保持や経済的利益を最大化する戦略のために国内外のエスニック・ネットワークを利用しているのではないかと考えていたが、この仮説に修正の必要が生じた。 彼らの多くは市民権を取得しており、出身国・社会とのつながりよりもむしろオーストラリア市民としての立場を重視している。そして、彼らのなかには政治的な関心を持ち、エスニック・アソシエーションの活動を通じてオーストラリア社会のメインストリームに参画することが自らの立場をより強めるものであり、またオーストラリアに「貢献」できる道だと考えて、社会活動を行う者が少なからず現れていることが明らかになった。その際には、彼らの専門性が大きなアドバンテージとなっていることも確認することができた。また、本研究では、アジア系政治家への直接のインタビューにより、上記のような政治・社会統合を志向する専門・技術職「移民」の政治参加のあり方を部分的に実証することを試み、一定の成果を得ることができた。
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