2007 Fiscal Year Annual Research Report
日中瑞3か国の社会福祉関連労働における労働環境・条件と作業負担に関する比較研究
Project/Area Number |
16402035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島岡 みどり Nagoya University, 総合保健体育科学センター, 教授 (30135389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛭田 秀一 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30173272)
小野 雄一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80135334)
堀 文子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (00238776)
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Keywords | 介護 / 作業負担 / 身体活動量 / 健康 / 体力 / 国際研究者交流 / 中国:スウェーデン |
Research Abstract |
これまで、日本、中国、スウェーデンの3か国で、それぞれ介護現場職員を対象に作業負担と健康に関するアンケート調査を実施してきたが、特に日本において介護職員と看護職員が同じ事業所に所属し、しかも両職種で作業内容に重なる部分があることが判明したため、職種別にデータ分析しその結果の比較を試みた。方法:介護職員と看護職員が同じ事業所に所属している、日本における10ヶ所の高齢者介護施設の女性常勤職員325人(介護職186人と看護職139人)を対象に、作業負担と健康状況について質問紙調査を行った。平均年齢と経験年数はそれぞれ、介護職37.5歳と4.5年、看護職41.6歳と16.8年であった。結果:いくつかの主要な介助作業(排泄・むつき交換、移乗、体位交換、シーツ交換、入浴)に関して、両職種ともにそれぞれ9割前後の職員が作業を行っていた。全体の77%(介護職80%、看護職73%)が夜勤を含む勤務形態で、夜勤あり職員の9割弱(介護職86%、看護職89%)が夜勤の方が疲れると回答した。平均して1日に30分以上の時間外労働をしている人数割合は、看護職(76%)が介護職(51%)より有意に高かった(P<0.05)。過去1年間の腰痛訴え率は、職種の違いや夜勤の有無によらず80%以上であった。調査時点での腰痛の強さ(なし=0、最大=10の範囲で回答)は、介護職の平均値(4.1)が看護職(3.3)より有意に強く、夜勤のある介護職が最高値(4.3)を示した。これらの結果から、介護現場職員の調査結果を検討する際には、職種の違いを考慮すべきであることが示唆された。
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