2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける鑑賞教育の現状調査ならびに比較研究
Project/Area Number |
16402044
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
萱 のり子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70314440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神林 恒道 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 教授 (80089862)
梅澤 啓一 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (80269993)
新関 伸也 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80324557)
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Keywords | 鑑賞教育 / 東アジア / 鑑賞学習 / 書画鑑賞 / カリキュラム / 感性発達 |
Research Abstract |
本研究は、近代以前から日本が緊密な文化的影響関係をもってきた東アジア諸国における鑑賞教育を調査することにより、(1)近代主義の功罪を見直し、今後の文化的・伝統的視点の生きた教育理念を構築していくこと、(2)教育現場での授業実践へと研究を推進させていくための基盤を得ること、を目的としている。調査内容は、理念に関わる資料収集と、現場の実践見聞を主としたフィールドワークを主とし、東アジアの鑑賞教育を対象として以下2つの視点から行った。 (1)東アジア諸国(中国・台湾・韓国)における「近代」以降の鑑賞教育の理念と実践に関わる資料収集、および現在の美術教員による授業実践に関するフィールドワーク (2)東アジア諸国の鑑賞教育に対する欧米(アメリカ・ドイツ)の研究、および欧米における鑑賞教育の東アジアへの影響に関する調査 研究成果の形態 ・研究成果報告書には、調査収集資料をもとに、研究メンバーがおのおのの視点から考察を加えたものを収録した。 ・研究期間中に収集した資料の中から文献を邦訳して抄録した。これは、今後の継続的な研究に向けて、研究メンバーが相互活用できる便宜をはかり、別途CD-ROMに収めた。 ・調査研究をすすめつつ、鑑賞教育の具体的なありかたを提示するため『鑑賞101選』を執筆・編集した。はじめに、歴史的・文化的に重要な作品を西洋・東洋からそれぞれ選出し、公教育において取り上げるべき作品の検討を行った。続いて、現場での授業で鑑賞教材として活用していくために、作品に関して3つの視点「作品のテーマと内容」「作品の見所」「美術史上の位置」を設け、全202作品を分担執筆した。 ・書画領域の共通課題を認識する上で、本課題と重要な接点をもつ国際会議(第5回書法文化書法教育国際会議)の研究論文選を別途刊行した。 今後の課題 報告書に収めた論考は、研究メンバーおのおのが、それぞれの国や自治体が発する教育方針を把握した上で、現状に根ざす実践上の課題を提起したものである。今後は、これらをカリキュラムや指導理念に反映させながら、実践の力を高めあうネットワークづくりを目指していきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)