2006 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における理数科教育協力の評価指標に関する実証的研究
Project/Area Number |
16402046
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩崎 秀樹 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50116539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 敦三 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50168621)
馬場 卓也 広島大学, 大学院国際協力研究科, 助教授 (00335720)
磯田 正美 筑波大学, 教育開発国際協力研究センター, 助教授 (70212967)
丸山 英樹 国立教育政策研究所, 国際研究協力部, 研究員 (10353377)
桑山 尚司 広島大学, 大学院教育学研究科, 助手 (90379850)
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Keywords | 国際教育協力 / 数学教育 / 評価 / 分数 / 言語 / 文化 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
本研究課題は、開発途上国に対する数学教育協力の評価指標、とりわけ児童の学力(「達成されたカリキュラム」)を研究対象とするものである。ただし、全体の調査枠組みとしては、前年度同様に、途上国における数学教育の教授-学習全体を把握するために、「意図されたカリキュラム」や「実施されたカリキュラム」を視野に入れて設定した。 科研の最終年度である本年は、第二年次までの調査対象国6カ国(バングラデッシュ、中国、ガーナ、フィリピン、タイ、ザンビア)と予備的に調査した日本の調査結果を踏まえて、全データの見直しと必要な情報収集を主に行った。その結果、以下の2点が研究成果として挙げられる。 (1)本科研の調査プロセス及び結果から、児童の学力と言語の深い関係が示唆されており、同時にTIMSS等の国際的な児童の学力調査について調査ツール自体の社会文化的妥当性が問題となることが明らかにされた。 (2)本科研の調査結果から、分数領域における児童の問題解決過程に言語能力が重要な役割を果たしていることや、国ごとに異なる「実施されたカリキュラム」の内実が児童の分数概念形成に影響を与えていることが明らかにされた。 こうした研究成果の詳細は、1月に東京で開催された国際シンポジウムにおいて公開され、科研の調査実施者のみならず、日本の国際教育協力の関係者に広く共有された。そこでの議論の深まりも踏まえて、最終成果報告書がまとめられた。
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