2006 Fiscal Year Annual Research Report
カナダ北極域におけるオーロラ・超高層大気の高感度光学観測
Project/Area Number |
16403007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (40314025)
家田 章正 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (70362209)
西谷 望 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (10218159)
細川 敬祐 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80361830)
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Keywords | オーロラ / 極冠域プラズマパッチ / 大気重力波 / 人工衛星-地上共同観測 / サブストーム / 磁気嵐 / 国際情報交換 / カナダ:アメリカ |
Research Abstract |
平成17年1月に高感度全天カメラを設置した極冠域のResolute Bay観測点、及び、平成17年9月に高感度全天カメラ、掃天分光フォトメータ、誘導型磁力計を設置したサブオーロラ帯のAthabasca観測点は、どちらも順調に観測を継続した。 本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1.Resolute Bay観測点の平成18年度冬季の観測を立ち上げるため、平成18年10月に現地に行き、機器のメンテナンス、立ち上げを行った。 2.Athabasca観測点は、海外研究協力者であるアサバスカ大学のM.Connors博士が管理している。平成18年12月に同観測点を訪問し、機器のメンテナンスと校正を行った。 3.平成18年6月に、新たに同種の高感度全天カメラを米国・ニューヨーク州Ithacaに設置し、定常観測を開始した。、この観測は、平成19年4月まで継続する予定である。IthacaとAthabasca観測点は、同じサブオーロラ帯で、ローカルタイムが5時間ほど異なる位置関係にあるため、サブオーロラ帯の現象の経度方向の広がりを観測するのに適している。 4.これら3点の観測から得られるデータにすべてデータベース化した。データのプロットは、http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/canada/index.htmlで公開されている。 5.これらの観測から得られた成果を、AOGS(シンガポール)、COSPAR/WPGM(中国)、アメリカ地球物理学会(米国)等の国際研究集会や各種の国内学会、研究会で発表した。論文として誌上発表したものは11に挙げた。 6.THEMIS衛星は平成19年2月17日に米国から打ち上げられた。この衛星との共同研究を推進するため、打ち上げ前にNASA・ケープカナベラル基地で行われた研究集会に研究分担者が参加し、今後の共同研究を議論した。また、平成19年3月に、米国・カリフォルニア大学バークレー校及びアラスカ大学フェアバンクス校を研究分担者が訪問し、今後の共同研究を議論した。 7.Resolute Bayで得られた極冠域パッチ現象のデータから、パッチの動きが惑星間空間磁場の変動と非常に良い相関があることを見いだした。 8.Athabascaで得られたオーロラ、地磁気データから、オーロラ帯から赤道側に離れた孤立オーロラとPc1地磁気脈動が1対1対応していることを初めて見いだし、地球の内部磁気圏において、波動と粒子の相互作用が従来考えられていたよりもはるかに空間的に狭い領域で発生していることを示した。
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Research Products
(4 results)