2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境変動によるアジア沿岸大都市の水システムの安全性と安定性への影響評価
Project/Area Number |
16404001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 智 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10206914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 久美子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00361527)
福士 謙介 東京大学, 環境安全センター, 助教授 (30282114)
片山 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00302779)
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Keywords | アジア / 沿岸 / 大都市 / 洪水 / 衛生 / 水質 |
Research Abstract |
平成16年度は、ベトナムのホーチミン市、インドネシアのジャカルタ市において、洪水と市民の衛生状態についての調査を行った。ホーチミン市では、海水潮位の上昇と降雨により毎年のように洪水が発生する。同市を流れるドンナイ川の河口部には防潮堤が無く、潮位の上昇によって市内の運河や下水道の水位が上昇し、排水が極めて困難になる。このような地区で降雨が起こると、洪水となって市内の交通を麻痺させるほか、市民生活に重大な影響を与えている。しかし、洪水の水位は平均30cm程度であり、特に被害の大きいところでも1m程度とあまり大きくない。洪水地域の住民の健康実態調査では、洪水地域と洪水を免れた地域とを比較すると明らかに下痢症などの健康被害状況に違いが見られた。 ジャカルタでは同市を流れる最大河川のChiliwung川沿いの洪水被害地域を対象として調査を行った。調査対象となったマイユ地区では、2005年1月19日未明から大規模な洪水被害が発生し、我々調査グループは19日から29日にかけて現地を調査し、洪水の被害状況、水質、住民の健康状況についてのデータを得た。この地域は、川沿いから幹線道路までの区間であるが、この間の地盤の高低差が大きく、川沿いの地区では1階天井の上まで完遂する被害にあった。このため、この地区だけで約1万5千人の住民が避難した。住民の健康に対するリスクは、洪水水位が低下した後、避難所から自宅に戻って洪水の始末をしている時期が最も高い。2005年1月の洪水では、洪水発生2日後には最大冠水地域でも、洪水水位が50cm程度に低下した。このため、子供を含む住民が洪水の中に入って、通行し、ごみの始末などを行っている。洪水中には汚水が混じっており、大腸菌などが高濃度で検出される。
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Research Products
(2 results)