Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今 久 千葉大学, 園芸学部, 教授 (60153706)
松田 友義 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70159151)
木村 玲二 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (80315457)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
王 秀峰 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (30301873)
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Research Abstract |
中国の陝西省および内蒙古自治区を調査対象地域として,過去に作られたメッシュデータの妥当性の検討と,砂漠化ハザードマップ作成に必要な人為的要因が自然的要因に及ぼす影響を表現するモデルの妥当性の検討を行った。 メッシュデータ整備班:当該年度は,昨年度整備された自然的要因に関するデータ(降水量と可能蒸発量の比あるいはNDVI(標準化植生指標),土壌の種類)の算出,現地における気象観測および地表面分類のグランドトゥルースを行った。 農作業調査班:該年度は,砂漠化に影響を及ぼすと考えられる,農業形態,特に作物の種類,栽培方法,灌漑水量の聞き取り調査を行った。このデータをもとに,開発中のKimuraモデル(Kimura et al.,2003)と1層モデル(Nakano et al.,2004)により,黄土表面からの蒸発を,蒸発位と土壌水分量から推定する方法を検討した。1層モデルではDavis and AllenモデルのXパラメータが10のときに適合性がよいことが判ったが,水収支モデルに表面流出と水平方向の浸透が評価されていないので,蒸発量を大きめに推定している可能性がある。木村らは,黄土高原の43地点についてKimuraモデルを用いて,裸地と仮定した場合の熱収支及び水収支を計算した。年平均顕熱量は34W/m^2,潜熱量は14〜40W/m^2(179〜521mm/年)となった。容利用水分量の多い地点と現存植生はほぼ一致していた。陝西省神木県で自然植生の生長期間の蒸発散量を推定したところ,1mm/日であり,蒸発効率は0.3以下であった。また,表面抵抗,日射,飽差,気温,風速,土壌水分量の関係から,表面抵抗は飽差と土壌水分量に強く影響されることがわかった。 牧畜調査班:砂漠化指標の1つである植生量と構成植物種に対する家畜密度の影響を調べるため,植生調査と聞き取り調査を行った。
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