2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国浙江省龍遊洞窟遺跡の年代特定,世界遺産登録および空洞安定性に関する学術調査
Project/Area Number |
16404012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷本 親伯 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10109027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 圭吾 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10362667)
今井 克彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30301253)
古川 忠稔 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70273597)
橘 英三郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029165)
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Keywords | 洞窟遺跡 / 龍游洞窟 / 砂岩 / 電気探査 / 粘土鉱物 / 3Dスキャナー / 温湿度 / 無水ボーリング |
Research Abstract |
中国龍游洞窟遺跡に関する学術調査の1年目となる平成16年度は、当初予定していた中国側の調査(1)地形測量、(2)地質図作成、(3)不安定箇所の修復、(4)年代特定のうち、(1)〜(3)を、また、日本側の調査(1)洞窟の形状測定、(2)電気探査による地質構造の把握、(3)岩石のサンプリング、(4)水分、泥土の採取の5つのテーマの中、(2)〜(4)を終了した。上記に示すテーマの平成16年度の成果は下記に示すとおりである。 中国側の調査 (1)地形測量に関しては、現在発掘された5つの洞窟と周辺との位置関係を把握した。 (2)龍游洞窟周辺のおおまかな地質図を作成した。更に詳細な地質図の作成を行うことも検討している。 (3)洞窟の不安定箇所の修復は現在も継続中だが、緊急を要する地点に関しては既に修復を終了した。 (4)現在引き続き継続中。 日本側の調査 (1)洞窟位置の同定については中国側の調査から2次元での把握は終了した。しかし、平成16年度に予定していた3Dスキャナーによる洞窟内3D形状測定は、地質、電気探査による調査を先行させたことから、実施には至らなかった。しかし、平成17年5月の調査において計測することにしており、この成果により龍游洞窟の形状および位置関係を3次元で把握する予定である。 (2)現地地盤(砂岩・泥岩)を対象に電気探査を行った結果、対象地盤は低比抵抗を示すことが確認された。また、洞窟内の温湿度測定により、洞窟内部も常に高湿度環境であることが確認されたことから、対象地盤の含水率は高いものと考えられる。また、電気探査により、現時点でまだ水没している7号窟の存在を確認することができた。 (3)無水方式のボーリングを行うことで、従来のボーリングに見られる多量の循環水を用いることなく岩石のサンプリングを行った。サンプリングした岩石の鉱物分析により、対象岩石内に多量の粘土鉱物を確認した。 (4)龍游石窟群内に存在する水分、泥土を採取することで成分分析を行い、岩石劣化に影響を与える粘土鉱物の含有量を把握した。
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