2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16405008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅見 崇比呂 信州大学, 理学部, 助教授 (10222598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (10291957)
青塚 正志 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40106604)
遠藤 一佳 筑波大学, 大学院・地球科学系理学研究科, 助教授 (80251411)
上島 励 東京大学, 理学系研究科, 講師 (20241771)
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Keywords | 左右 / 分子系統 / 巻貝 / タイ / 共存 |
Research Abstract |
東南アジアに広く分布する樹上性巻貝の左右二型種群Amphidromus属を対象として、鏡像変異の維持機構、および鏡像集団(種・系統)の進化プロセスに対する理論的予測をテストするために、左巻または右巻に固定した集団と左右二型集団との側所的分布、および巻型頻度の時空変動を調査し、系統解析に必要な試料を採取した。 1.分子系統解析:これまでに調査した左右二型種群の系統関係を分子系統解析の手法により明らかにした。これにより、左右二型現象が当該のグループでは、最も祖先的な形質状態である上に、進化的に安定な形質状態であることが明らかとなった。左右二型種群における左右二聖状態の進化パターンを分子系統学的に明らかにした最初の研究例である。これにより、絶滅に瀕する他の左右二型種群においても同様に左右二型現象が進化的に安定であることが示唆され、今後の研究の新たな方向を提示することに成功した。 2.左右二型の分布調査:左巻集団、右巻集団、および左右二型集団の分布境界域を精査し、左右変異の維持に対する移住の効果を検証した。空間的に隔離された人工離散林、および海洋により互いに隔離された島嶼における左右二型集団の調査結果から、メタ個体群における移動分散により左右二型現象が存続している可能性を否定することに成功した。 3.左右二型の安定性:コドラートでの左右二型頻度の経時的変化、個体群密度・齢構成・成長と繁殖の季節パターンを継続調査した。これにより、左右二型の頻度はこれまでの調査期間において、統計的に有意な変動を示すことが明らかとなった。その場合に、幼貝の占める比率も有意に変動していることから、集団サイズの周期変動の効果が示唆された。
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Research Products
(6 results)