2005 Fiscal Year Annual Research Report
シベリア・タイガにおける森林構造発達と窒素動態様式の相互関係
Project/Area Number |
16405010
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大澤 晃 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (90288647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 卓也 森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (70353638)
松浦 陽次郎 森林総合研究所, 立地環境部, 主任研究員 (20353857)
徳地 直子 京都大学, 大学院・フィールド科学教育研究センター, 助教授 (60237071)
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Keywords | Larix gmelinii / ロシア / シベリア / 永久凍土 / 森林生態系 / 現存量 / 施肥 / 窒素動態 |
Research Abstract |
本年度は7月に約3週間、10月に約1週間ロシアの調査地を訪れ、野外調査等を行った。調査対象地となっている永久凍土上に成立したグメリンカラマツ林の永久調査区において森林構造、現存量、炭素動態、窒素貯留量、窒素無機化速度などを推定すべく、いろいろなサンプル採集および測定を行った。特に集中して行った作業は、(1)根の現存量と形態を推定するための根茎システムの掘り出し、形態記載、重量測定、(2)森林火災後成立したカラマツ天然林の林齢に伴う森林構造発達様式を記載するためのクロノシークエンス・プロットの設定、(3)クロノシークエンス・プロットの測定、(4)施肥プロットにおける2年目の窒素肥料の散布作業、(5)森林生態系内での窒素の分布と動態を把握するための追加資料の採取であった。 本年度の野外調査の結果次が明らかになった。(1)根の現存量は林例の増加とともに増加を続ける。これは、地上部現存量が約30年の林齢で最大値に達し、その後一定値を保つのと対照的である。(2)カラマツ生態系の葉の現存量は林齢約30年で2.2Mg/haの最大値に達し、その後その約1/4の現存量に急減してしまう。成熟林におけるこのような急激な葉の現存量の減少はほかの森林生態系では報告されたことのない珍しい現象である。連続永久凍土生態系の特徴と考えられる。(3)窒素肥料施肥2年目にして、施肥区のカラマツ個体の葉の窒素濃度が上昇した。そのほかの成長パラメターにはまだ変化が見られない。
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Research Products
(6 results)