2004 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域におけるオナガザル上科の進化に関する古生物学的研究
Project/Area Number |
16405018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一美 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20303919)
毛利 俊雄 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (30115951)
江木 直子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
鍔本 武久 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(PD)
樽 創 神奈川県立生命の星・地球博物館, 研究員
|
Keywords | オナガザル上科 / コロブス亜科 / ミャンマー / 洞窟化石 / ニホンザル / 微少咬耗痕 / 食性 / ロシア |
Research Abstract |
(1)ミャンマー国東部のシャン州にある複数の洞窟から出土した動物化石の再調査を行った。これらの洞窟出土骨は鮮新世末期から更新世にかけてのものと考えられる。今回の調査の結果、その中にコロブス類の遊離歯化石が含まれていることが判明した。これはミャンマーの洞窟から見つかった最初の霊長類化石である。アジア産コロブス類の進化プロセスを示す重要な化石と考えられ、現在記載論文を準備中である。 (2)日本各地の考古遺跡からみつかっているニホンザル化石の形態学的解析を行った。現生のニホンザルの形態を詳しく比較検討したところ、ニホンザルにおける雌雄差が先史時代のものと比べて大きくなっていることが示唆された。この結果は現在論文として投稿中である。 (3)神奈川県厚木市に分布する後期鮮新世の地層から見つかっているコロブス類の化石(「中津標本」)の大臼歯の微少咬耗痕を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。歯の咬合面に残る微少咬耗痕は、その生物が生前に食べていた食物を咀嚼する際に残るものであり、その動物の食性を示す。現在「中津標本」の観察結果から生前の食性復元を検討している。 (4)ロシア国立古生物研究所のマシェンコ博士を招へいし、ロシアとモンゴルの鮮新世の地層から見つかっているコロブス類化石と日本の「中津標本」と直接の比較を行った。分類学的検討のほかに、微少咬耗痕の観察から食性の比較を行う予定である。 (5)アメリカ合衆国のスミソニアン自然史博物館において、同博物館に補完されているオナガザル類の四肢骨の観察・計測を行った。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] A new eosimiid from the latest middle Eocene in Pondaung, central Myanmar.2005
Author(s)
Takai, M., Chit Sein, Tsubamoto, T., Egi, N., Maung Maung, Shigehara, N.
-
Journal Title
Anthropological Science 113(In press)
-
-
-
[Journal Article] The paleobiology of Amphipithecidae, South Asian late Eocene primates.2004
Author(s)
Kay, R.F., Schmitt, D., Vinyard, C.J., Perry, J.M.G., Shigehara, N., Takai, M., Egi, N.
-
Journal Title
Journal of Human Evolution 46
Pages: 3-24
-