2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域におけるオナガザル上科の進化に関する古生物学的研究
Project/Area Number |
16405018
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一美 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20303919)
毛利 俊雄 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (30115951)
樽 創 神奈川県立生命の星地球博物館, 研究員 (50260344)
三枝 春生 兵庫県立大学, 自然環境科学研究所, 助手 (70254456)
|
Keywords | オナガザル上科 / コロブス亜科 / オナガザル亜科 / 鮮新世 / シベリア / モンゴル / タジキスタン / 東アジア |
Research Abstract |
(1)シベリアのバイカル湖南東部のウドゥンガ地域とモンゴル北部のシャーマル地域から出土している後期鮮新世のコロブス類化石(Parapresbytis)とその動物相に関して、古生物学的な検討を行った。東アジア北部の鮮新世のコロブス類の化石は、この他に日本の神奈川県厚木市の後期鮮新世の地層からも頭骨の標本が見つかっていて、3地点の動植物相と産出しているコロブス類化石を相互比較しながら、アジア地域のコロブス類の進化プロセスについての検討を行っている。 (2)中央アジアのタジキスタン国中部のクルクサイ地域からみつかっている中期鮮新世のオナガザル類化石であるParadolichopithecusの系統的位置に関しては、現生のマカク類Macacaに近いとする研究者とヒヒPapioに近いとする研究者に分かれている。この問題を解決するために、同地点から見つかっている頭骨化石の内部構造をコンピュータ断層撮影装置(CT)を用いて観察した。その結果、Paradolichopithecusには現生のマカクに見られるような原始的な小さな上顎洞maxillary sinusがみられることが判明した。この特徴は現生のマカクとヒヒを含むヒヒ族Tribe Papioniniの進化を考える上で非常に重要な結果であり、現在この結果を論文としてまとめている。 (3)ユーラシア大陸の第三紀後半の地層から見つかっているオナガザル亜科の化石記録をデータベース化し、その進化プロセスに関する検討を行い、総説論文として発表した。
|
Research Products
(7 results)