2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域におけるオナガザル上科の進化に関する古生物学的研究
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16405018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 正成 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (90252535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 一美 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (20303919)
毛利 俊雄 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (30115951)
三枝 春生 兵庫県立大学, 自然環境学研究所, 助手 (70254456)
樽 創 神奈川県立生命の星・地球博物館, 研究員 (50260344)
鈴木 淳 産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (60344199)
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Keywords | オナガザル上科 / コロブス亜科 / オナガザル亜科 / 鮮新世 / ユーラシア大陸 / ミャンマー / トランスバイカル地域 |
Research Abstract |
(1)シベリアのトランスバイカル地域(バイカル湖南東部のウドゥンガとモンゴル北部のシャーマル)から出土している後期鮮新世のコロブス類化石(Parapresbytis)とその動物相に関して、古生物学的な検討を行った。また日本の神奈川県厚木市の後期鮮新世の地層からみつかっていたコロブス類の頭骨化石との比較をおこない、その系統分類論文を作成中である。 (2)中央アジアのタジキスタン国中部のクルクサイ地域からみつかっている中期鮮新世のオナガザル類化石であるParadolichopithecusの頭骨内部構造、特に上顎洞(maxillary sinus)の有無に関してCT機器を用いて解析し、その系統的位置に関する論文を発表した(Nishimura et al., in press)。またこれにより推測されるユーラシア大陸におけるオナガザル亜科の拡散経路に関する議論を行い、論文を投稿中である。 (3)ミャンマー国中央部のイラワジ河西岸を中心とした地域に分布する後期中新世〜前期更新世(約600-100万年前)のイラワジ層において霊長類化石の発見を主目的とする発掘調査を行った。残念ながら霊長類の化石は発見できなかったが、偶蹄類(カバ科、ウシ科、シカ科、キリン科)、奇蹄類(ウマ科、サイ科)、長鼻類(マストドン科、ステゴドン科、デイノテリウム科、ゾウ科)、食肉類(アンフィシオン科、アグリオテリウム科)などの陸上性の哺乳類化石を多数発見し、現在その記載作業を行っている。 (4)研究成果の発表として、これまでミャンマーで行ってきた古生物学的調査の英文報告書(Asian Paleoprimatology, vol.4)を作成・発行した。
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Research Products
(6 results)