2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナミビア国半乾燥地域におけるトウジンビエ栽培体系下での氾濫水利用型粗放稲作の導入
Project/Area Number |
16405020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯嶋 盛雄 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (60252277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 章 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (30230303)
野島 博 千葉大学, 園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (30009550)
坂上 潤一 国際農林水産業研究センター, 生産環境部, 主任研究官 (70399369)
泉 泰弘 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (90305558)
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Keywords | アフリカ / アフリカイネ / 国際研究者交流 / 稲作導入 / ナミビア / ネリカ / NERICA / 貧農 |
Research Abstract |
アフリカ南西部に位置するナミビア国は、国土の大半が乾燥地に属する砂漠国である。本研究では、北部地域に広がる未利用の季節性湿地帯の基本的な水環境を改変せずに、あるがままの湿地帯に適合する稲品種を導入し、さらに当地の貧農によるトウジンビエ栽培に融和するような稲栽培体系を提案することを目的とする。本年度の研究では、まず、飯嶋が6月下旬にギニア仁出張し、西アフリカ地区で栽培される稲の成育に関する研究討論を行うとともに、ギニア国でも、ナミビアに導入した品種群の庄縮ストレス耐性実験を開設した。日本でもこれらの品種の水分生理調査項目を検討するとともに、ギニア国で実施した試験と同様のフィールド試験を実施した。飯嶋が9月にナミビアを訪問し、実際の季節性湿地帯での耐塩性実験圃場を開設した。修士課程1年のナミビア国からの留学生のKamweleが、研究協力者として11月と3月に2回ナミビアに出張し、昨年実施した120品種の水稲品種群選抜試験を継続して実施するとともに、湿地帯での塩類ストレス耐性実験を実施した。フィールド試験と並行して、数種類のポット試験を実施した。その結果、アフリカイネの圧縮土壌ストレス耐性が相対的に高いこと、ネリカ品種群では耐性は相対的に低いことを明らかにした。さらに、モデル系とフィールドでの試験結果の比較対照によって、ワックス層を擬似的な硬盤層に見立てる試験系はフィールドでの根の成長反応とは一致せず、むしろ人工的に圧縮した土壌をポットに充填した系ではフィールドの結果と相関性が高い結果を得た。すなわち、圧縮土壌ストレス耐性を選抜するためには、従来から提案されてきたワックス層試験は、かならずしも適さないことを初めて定量的な実験値として得た。
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Research Products
(6 results)