2007 Fiscal Year Annual Research Report
トマト育種史の中での病原菌進化をフィールド分離株に探る
Project/Area Number |
16405021
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
有江 力 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (00211706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 徹 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60163903)
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 教授 (00183343)
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Keywords | 植物 / 菌類 / 進化 / 植物病理学 / 共生 / 病原性 / 分子系統解析 / フィールド |
Research Abstract |
エクアドル本土およびガラパゴスにおいて健全な野生種トマト(Solanum pimpinellifoliumおよびS.cheesmanii)を採集、その茎葉組織および根圏から糸状菌約250株を分離した。このうち、43株をFusarium oxysporumと同定した。これらF.oxysporum菌株は、食用トマト(S.esculentum)に対する病原性を示さなかった。この菌株を、平成16〜18年度にメキシコの健全な野生トマト(S.esculentum var. cerasiforme)、健全な伝統トマト(S.esculentum criollo-type)、健全な食用トマト(S.esculentum)の茎葉組織・根圏から分離したF.oxysporum125株(非病原性)、H19年度にイタリアの健全トマトから分離したF.oxysporum約30菌株(非病原性)、すでに分離・保持しているトマト萎凋病菌(F.oxysporum f.sp.lycopersici)およびチリで採集した野生種トマト(S.chilenseおよびS.peruvianum)および栽培トマトから分離したF.oxysporum菌株(非病原性)と併せて、rDNAIGS領域に基づく総合的な系統解析を行った。得られた系統樹中でトマト萎凋病菌は3つのクラスターを形成した。一方、トマト組織や根圏から分離した非病原性菌株は系統樹中に遍く分布したが、野生トマト由来の非病原性菌株の中に、萎凋病菌菌株と伴に上述の3つのクラスターに入るものがあり、これらが萎凋病菌の祖先である可能性が示唆された。トマト萎凋病菌が交配不全性である要因を染色体構造に求め、稔性回復の手段を提案した。
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Research Products
(6 results)